パイゾ・クァルテット@スタジオ・ルンデ

【2007年6月3日(日)15:00~ スタジオ・ルンデ】
●ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番ハ短調 op.18-4
●ニールセン:弦楽四重奏曲第1番ト短調 op.13 FS4
●ニールセン:弦楽四重奏曲第2番ヘ短調 op.5 FS11
  ○アンコール スウェーデン民謡《移民の歌》、スウェーデンのワルツ、デンマークの踊り
⇒パイゾ四重奏団


最初で最後のルンデ。
これはもう、やくぺん先生に挑発されたためにでかけたのです。名古屋在住のクラヲタとして、「スタジオ・ルンデの室内楽」を結局一度も体験しないまま、その最期をぼけっと眺めているだけなのはどうなのよと思った次第。
去年から今年にかけて行われていたオフィシャルなラスト・コンサート群には結局ひとつも行かれず、もう縁はないだろうなあと思っていた矢先です。ホールというよりは広い部屋、残響ゼロのこの空間で多くの名演が生み出されてきたのだろうと思うとちょっと感慨深いッス。開演までは、顔見知りトークがあちこちから聞こえてくる中でビビりながら座ってました(笑)

さて、個人的に、ニールセンはまったくわけのわからない作曲家であります。打楽器満載のあの不穏な響き、断裂した旋律はショスタコのご先祖かなとも思うのだけど…どうも入り込めない…。日々いろいろな作曲家を聴いていくにつれ、ニ氏の立ち位置が極めて独特であることが分ってき、ますます困惑。。
しかし本日演奏された2曲の弦楽四重奏曲はいずれもニールセンの若書きということで、ブラームス的に分厚くもっさりしたテクスチュアが特徴的。旋律の盛り上がり方も正調ロマンティックで、これがあのニ氏なの?というくらい「素直」。
ただし両曲とも、第2楽章だけはニ氏らしいヘソマガリな美感が漂います。基本的に薄氷のように繊細で美しいメロディが根底にあるんだけども、それがゾゾゾと変容していく様子がけっこう露骨に表現されるんですよね。若書きにしてすでに驚くべき謎の才能。。

で、パイゾQ。
世界の最新室内楽事情については、それこそやくぺん先生のブログをただ拝見しているだけの素人です。どこのカルテットが凄くて、どこが引退しそうで、なんていうのにはとんと疎いし、そもそも弦楽四重奏曲の聴き比べができるレベルにはないのですが。
…そんな僕が聴いても、彼らのアンサンブルは驚異的であったと書くしかない。

まず、各メンバーの基礎的な技量が「均一に」ハイレベル。これが凄いと思う。物凄く高いところにある中立性というか、きっとどの時代のどんな様式の曲でも、彼らはモノにしてしまうのだろう。
それでいて外声が突出することが多く(特に1stVnは方向性、オーラの種類が違う)、同時に実は内声がガッチリと手綱を握っている、「亭主元気で留守がいい」的な雰囲気があるのが面白い。きっとニールセンは内声が弱々しいとあそこまでは盛り上がらないでしょう。

+ + +

お客さんもすっかり盛り上がってしまって、盛大な歓声と拍手。パイゾの面々もそれに気を良くしたのか、3曲もアンコールをやってくれましたですよ(しかも全部トラッド系)。プロのチェリストが立って演奏するのって初めて見ました(笑)
最後に、「ルンデの鈴木さん」(なのかな)からご挨拶。「今日のお客様全員に、ルンデの銀のステッカーを差し上げます。金ではありません―金は演奏家です」。蓋し名言。
by Sonnenfleck | 2007-06-04 06:51 | 演奏会聴き語り
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