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常設特別展「宇宙御絵図」@豊田市美術館

常設特別展「宇宙御絵図」@豊田市美術館_c0060659_743851.jpgちょいと遅れましたが、豊田市美術館・定期訪問記録。
現在開催中の展覧会は、豊田市美術館の収蔵品を中心にプログラムを構成する「常設特別展」の「宇宙御絵図」であります。うちゅうみえず。

宇宙見えず、として構成された本展は、公式サイトの解説を引用すると「マクロへもミクロへも、あるいは過去へも未来へも果てしなくイメージされる『見えない世界』への思いが込められています」とのことで、ちょっとクセのある作品がぽつりぽつりと集められています。いつものことながらけっして規模が大きいわけではないんだけど、よくわからないものの魅力がきゅっと詰まっていて満足。
最初の展示室1には、ZAPPAというアーティストの光る球体がいくつか、ごろりと転がっていました。透明な巨大ビーチボールの内部に赤色LEDを無数に仕込み、ゆったりと明滅している…コンビニで売ってるオラファー・エリアソンという感じでしょうか。新奇でも何でもないし大して面白いとも思わなかったけど、暗い空間で見たら違う印象を受けるかもしれません。あの展示室は白すぎるし明るすぎるもんなあ。その白い壁を見上げると、いつもよりずっと高い位置に金山明の《宇宙図 赤黒》。

階段を上って3階、展示室2には河原温の《百万年過去》と《百万年未来》が向かい合わせに鎮座して、奇妙な空間が出来上がっています。百科全書に延々と果てしなく印字された日付の連続、硬派ですねえ。音楽すら響かない。
続く展示室3は佐倉密という作家の和菓子的箱庭的ミニチュアがずらりと並んでいて、ひとつひとつを眺めてはニヤリ。どれもちょっと刺激的で、適度に雑駁としていて、海洋堂の精密食玩みたいな趣きです。家族連れが喜んで見ていたのが印象的。そして壁には、御大・松澤宥の「80年内人類滅亡」シリーズ。原稿用紙を埋め尽くす神経質な字、マッドな言説、、ふとキャプチャーを見ると「松澤宥(2222~)」となっていました。コンセプチュアルな人生です。

廊下を渡り展示室4の入り口に差し掛かると、壁の切れ目から階下の展示室1全体が見渡せるんですが、そこにも松澤宥の仕掛けた罠が。「展示室1の壁を見ろ」の指示に従って双眼鏡を手に取ると…あーなんか壁に小さな紙が貼ってある。。でも小さすぎて何が書いてあるのか判読不可能。宇宙見えず。
by Sonnenfleck | 2007-07-10 07:06 | 展覧会探検隊 | Comments(0)
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