名古屋フィル 第339回定演

【2007年9月15日(土)16:00~ 第339回定期/愛知県芸術劇場】
●ニールセン:序曲《ヘリオス》 op.17/FS.32
●グリーグ:Pf協奏曲イ短調 op.16
  ○アンコール シューマン:《子供の情景》 op.15~第7曲〈トロイメライ〉
→エヴァ・クピーク(Pf)
●シベリウス:交響曲第6番ニ短調 op.104
●同:交響曲第7番ハ長調 op.105
⇒ハンヌ・リントゥ/名古屋フィルハーモニー交響楽団


「まだ鐘がある!事件」以来、約3ヶ月ぶりの名フィル。

4日はグリーグ50回目の命日、そして来たる20日はシベリウス100回目の命日ということで、今回の定期は北欧一色に染まりました。もう何度も書いていますが、私、いわゆる「北欧音楽」カテゴリに属する作品が総じて苦手で、ウソだっ!というくらい聴いていません。
この1週間、出退勤のクルマの中で、ヴァンスカ/ラハティ響のシベリウス全集から第6と第7を必死で聴き込んで予習しましたよ。でも、ようやく旋律の断片が脳内再生されるようになったくらいで、あの世界に浸るところまでは行けてない。そんな状況での感想文ですので、まあ気楽に。。県芸のホールがアウェーだぜぃ。

それでも最初のニールセンは、久々の生オケということで大変ゾクゾクしました。
空腹は最強のスパイス説が濃厚。でもニールセン的な屈折した雰囲気があんまりなくて、素直にカッコイイ曲だったのは事実です。冒頭から終結にかけてのアーチ構造―日の出と日中、そして日没の表現は、リントゥの音作りが真っ先に確認された点。この指揮者は文学的な起伏で盛り上げるのがなかなか巧いようです。途中のフーガもさっぱりしてて好ましい。
オケはやっぱり、冒頭と終結を支えたVc軍団にブラヴォ。終結部で限りなくpに近づいていって、最後に筆を置くような感じで一瞬だけ音に芯が入る瞬間、大変美しかったです。

真ん中のグリーグは、ソロのクピークの情熱的な歌い口に会場も大興奮。鍵盤ぶっ叩き系のやり方に…こちらは白々と椅子に身を沈めて小休憩でしたが、しばしばピアノとオケが致命的にずれる箇所があってリラックスできず。スクロヴァ爺さんはこういうおきゃんなピアノが好みなのか?月末に爺さま/読響とショパンをやるらしいので、関東の皆さまお楽しみに。

後半、いよいよ問題のシベリウス。
第6はまず第1楽章冒頭の清涼感に吃驚。名フィルやるなあ。こんな音が出るのかー。そのあとリントゥはかなり速いテンポを要求して、若干せかせかしながら起伏も激しく駆け抜けますが、途中物凄くハイな気分に襲われた瞬間があって(ヴァンスカのCDでは感じなかった)、あれ?シベリウス来ちゃったか?という。
第2楽章は「ここにあること」を猛烈に自己主張する熱さがみなぎっていて、これも予習していたヴァンスカ盤との大きな違い。ただしこの楽章の後半からがっくりと膝をつくようにしてテンポが落ち、声部と声部がぐちゃぐちゃに混ざり合いながら、それでいて大きな声のまま、という謎のオレサマ時空が第4楽章の中盤まで展開してしまいます。リントゥ/名フィルはライヴの魔につかまったのか。でもこの曲のことよく知らないしなあ。もともとこういう構造で、ヴァンスカが神演奏なのかもしれない。どうだったんでしょう>シベヲタ各位。

さて4曲もあるとちょっと重い印象ですが、最後に第7。
こちらは第6で感じた起伏の激しさ・唐突な展開が鳴りをひそめ、あくまでも真摯で情熱的な演奏が繰り広げられました。冒頭のワーグナーっぽい和音は強調されなかったけど、最後のあたりの終末的なアクセントは破裂音を響かせて十分にドラマティック。最初から最後まで清冽な音を維持したオケには大きな声でブラヴォと言いたいです。聴きどころを覚えた上で臨みたかったなー。

ちなみにこの日はフラブラ・フラ拍手ともにすっかり抑えられてました(シベ6のおしまいは本当に恐怖だった)。6月のあれも土曜の回だったし、あれをあの場で体験して拍手やブラヴォのタイミングについて考えなかったお客はいなかったということなのか。荒療治すぎる…。
by Sonnenfleck | 2007-09-16 02:04 | 演奏会聴き語り
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