グリーン・エコー第51回演奏会 《春の交響曲》

c0060659_783469.jpg【2008年2月17日(日)16:00~ 愛知県芸術劇場】
●シベリウス:《悲しきワルツ》
●コダーイ:《ミサ・ブレヴィス》
●ブリテン:《春の交響曲》
→荻野砂和子(S)、竹本節子(A)、高橋淳(T)、末吉利行(Bs)
  名古屋少年少女合唱団
  グリーン・エコー
⇒小泉和裕/名古屋フィルハーモニー交響楽団


同日の午後は、津にやってきているボッセ御大/新日フィルのハイドン《軍隊》を聴きに行こうか、このコダーイ+ブリテンを取ろうか、最後まで迷いました。新日フィルのメインが《軍隊》でなくベト2とかベト8だったら決着が付かなかったでしょうが、最後はグリーン・エコーのプログラミングの妙が勝ちましたです。

去年はベートーヴェン《ミサ・ソレムニス》を聴いたアマチュア合唱団グリーン・エコー。
けっこう大曲主義っていうのかな、、合唱つきのために上演回数のさほど多くない作品を中心にやってるみたいで、今回のコダーイもブリテンもライヴで聴くのは初めて。プログラム渋いし当日券で余裕余裕~♪のつもりで開演30分前にホールへ行ったら、そもそもほとんど当日券がないうえ、売り切れ寸前!慌てて1階前方中央の席を確保しました。

コダーイの《ミサ・ブレヴィス》は、ラテン語ミサ通常文にコダーイらしい野趣あふれる(でもいつもより1.5倍くらい真面目な)音楽が添えられた佳品。
正直に書けば、立ち上がりはいかにも縦の線が揃わず、看過できないような金切り声も時折聴こえてきて、これはまずいかなあと思ったのも確か。でも曲の進行とともに徐々にエンジンが温まってゆき、〈ホザンナ〉から〈アニュス・デイ〉にかけて柔らかい光が差すような響きになっていったので、椅子に身体を預けてゆったりと音楽を聴きます。

舞台上の合唱団を見渡すと、お年を召された方の割合が高い。
メカニックやスタミナは例えば岡崎高校コーラス部に敵わないかもしれないけど、日常生活の抑揚や発音をそのまま音楽へ伸ばしたような、落ち着いたつや消しの響きが魅力的。戦争を耐え抜いた1944年のコダーイの念頭にあったのはこういう響きだったのかなと想像され、ちょっと胸が熱くなります。

で、ブリテンです。《春の交響曲》
合唱は前半の調子と異なり、攻撃的かつよく揃っていて、この団体のキャラクタ造形の幅広さが窺える結果になりました。合唱の登場時間はコダーイより少ないけど、そのぶん集中的に練習が行なわれたのかもしれません。
そして後半から登場した名古屋少年少女合唱団。第4曲〈馬車に乗る少年〉の口笛でおいしいところを持っていきましたね。大人数の口笛って意外に響き渡るんだなあ。

この日のテノールソロは「日本一の性格俳優テノール」高橋淳氏。僕がほとんど彼の真下で聴いていたせいかも知れないけど、この日の後半は40分間のスーパー高橋淳ワールドでしたね。憎たらしいほどよく通るあの声で、ブリテンの冷たく湿った旋律をギンギンに造り込むわけです。独壇場ですよ。第9曲〈私の5月はいつ来るのか〉の素晴らしい緊張感!
加えて小泉和裕+名フィルの「伴奏」がよかった。
小泉氏は、この「交響曲」とは名ばかりの連作歌曲スタイルを、打楽器のアクセント中心にメリハリを強く効かせてストレートに乗り切ってましたよ。この人の指揮にはこれまで特に注目してなかったけど、2009年の名フィル定期への登場が俄然楽しみになってまいりました。

さてグリーン・エコー、来年は尾高忠明氏の指揮でブルックナーのミサ曲第3番を取り上げるようです。お、その前に我らがティエリー・フィッシャーの《ダフニスとクロエ》か!
by Sonnenfleck | 2008-02-18 07:16 | 演奏会聴き語り
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