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メタピリオド?

ウソ記事をトップにしとくのはまずいので、さっさと更新します。

メタピリオド?_c0060659_630391.jpg【HMF/HMU 807470】
<ベートーヴェン>
●交響曲第3番変ホ長調 op.55 《英雄》
●12のコントルダンス WoO 14
●《プロメテウスの創造物》 op.43~フィナーレ
⇒アンドルー・マンゼ/ヘルシングボリ交響楽団

レヴューをまったく見かけない謎の新譜。「マンゼ」で「エロイカ」だというのに。でも一通り聴いてみると、その理由の一端が掴めるような気がする。

…普通なんですよ。エエッ!と白目を剥いて仰け反るくらい普通。

蛍光灯のように平明な明るさが維持されるなか、マンゼらしいなあと思わせるのは第1楽章冒頭で和音が破裂するところだけ。あとはリズムが切迫するでもなし、奇妙なアゴーギクがかかるでもなし、おかしな装飾がつくでもなし、アーティキュレーションにこだわりがあるでもなし、要するに素晴らしく日常的な演奏が展開されています。驚くべき普通の演奏。

彼はこの録音で何を示したかったのだろう。まったく見えてこない。
品はないけど愉快なエロイカだったらジンマンを聴くし、グーパンチを鳩尾に直接食らうような重たいエロイカだったらブリュッヘンを聴くし、響きに耽溺するならチェリビダッケを聴くし、昔ながらのエロイカだったらコンヴィチュニーを聴きます。
せめて、、と最後の望みを掛けていた《12のコントルダンス》も、あっけなく普通。
この舞曲集なら「suite」として演奏できるから、崩すかと思ってたんですがね。。

もし、もしですよ。これが「『21世紀初頭、北欧の地方都市にあるオーケストラの定期演奏会における日常的なモダン演奏に、軽くピリオド風味をまぶしてみた状況』を考証してみせたエロイカ」だったとしたら、当分の間、指揮者マンゼには頭が上がりません。そうでなかったとしたら、今度はぜひルクレールやロカテッリのVn協奏曲を録音してほしい。ヴァイオリンを操ってAAMの弾き振りをやる彼は大変素晴らしいからです。
by Sonnenfleck | 2008-04-02 06:43 | パンケーキ(19) | Comments(2)
Commented by jurassic_oyaji at 2008-04-02 20:23
山尾敦さんがちょこっと触れていましたね。
http://yamaonosuke.blogzine.jp/honke/2008/03/cd_2574.html
Commented by Sonnenfleck at 2008-04-02 22:12
>jurassic_oyajiさん
あ、、しっかり見落としてました。。すでに山尾さんが「フツー」宣言されてますね。マンゼなのにフツー、を楽しむCDなのか、あるいはこれこそマンゼの思う壺なのか…。
ライナーを読む気力がなかったので、楽器の配置は初めて知りました。SACDですけど、少なくともCD層は取り立てて臨場感溢れる、というわけではなかったように感じました。
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