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愛の転換の動機と、野菜スープ食べたい。

愛の転換の動機と、野菜スープ食べたい。_c0060659_6242421.jpgはっきり申し上げますと、12月に第19巻を読んだ時点で、二ノ宮さんのストーリーテリングにかなり疑問を感じたんです。
キャラ萌えの利子も食い潰した。さて元本たるストーリーは一体どうなっているのか、そろそろ何とかしてくれなければなあと考えておったのです。ですが、、第20巻も終盤、ようやくこれまでとは少しフェーズが異なる波乱が起こりそうでありまして、それは比較的穏やかに描写され始めたものの、強い意味を持ちそう。

要は、恋人でもあり、コーチでもあり、譜面から作曲家の言い分を感じ取る同業者でもある千秋に関して、のだめがどのように判断を下すのか、それがこの漫画の着地点を完全に決めてしまうと思うんですよ。
それを踏まえると、のだめが「感じ取る自我」について明確に発言したのが、この漫画では大変珍しいラブシーンのすぐ手前であったというのが、また憎らしい演出です。これまで数少ない「感じ取る自我シーン」を非文字表現で描写されるのが常だったのだめが、ようやく自分の言葉でそれを語った、その出発点から、同業者としての千秋と恋人としての千秋を同時に再発見してしまった挙句…いよいよ一波乱くるか。
「のだめがどう考えるか」が圧倒的に隠され省略されてきた『のだめカンタービレ』ですが、ついにこの第20巻で巨大な展開部に突入したのではないかと思う。
―いや、早く終わらせたがっているのか?

そして、解決されなければならない伏線が、またもばら撒かれました。
のだめとユウトくん、のだめとRui、千秋真一と千秋雅之。。特に3つ目の主題は、のだめが解釈者として大鉈を振るうのではないかと期待しています。

<第20巻のクラヲタポイント>
・先行してレヴューされたブログさんの文中に「ベルク」とか「ラヴェル」という文字をすでに発見してしまっていたので、驚きはやや緩やかでした。ラヴェルの協奏曲はよく似合うねえ。
・ベートーヴェンのソナタ第31番、チョイスも凄いが手加減のない解説に萌え。
・キッエリーニの演出ではマントヴァが小学校になっていたりしますか。
by Sonnenfleck | 2008-04-08 06:26 | 晴読雨読 | Comments(2)
Commented by 木曽のあばら屋 at 2008-04-08 22:40 x
こんにちは。
「のだめ20巻」の151ページの「今までやった課題」、凄過ぎます!!
アルベニス「イベリア」、メシアン「20のまなざし」、武満「閉じた眼」に
ラヴェル「クープランの墓」!?!?
クープランの「ティク・トク・ショク」まである!
ミュライユの「ラ・マンドラゴール」という曲は知りませんが、
一年そこそこ(ですよね?)で
本当にこれだけの曲をこなしたのでしょうか?
だとしたらまさに天才!
Commented by Sonnenfleck at 2008-04-09 06:38
>木曽のあばら屋さん
のだめからクラシックに入った人であっても、のだめが弾いているつもりになってあの1コマの作品をひととおり聴いたら、十分にクラヲタ予備軍の仲間入りですよね。アルベニスもフランクもシャブリエも、私は聴いたことがありません^^;;
フォーレについては、オクレール先生をやや髣髴とさせるペルルミュテールの演奏を、、今晩あたり聴けるかしら…。
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