シンフォニア・コレギウムOSAKA 名古屋公演 with 塩川悠子

c0060659_751325.jpg【2008年4月12日(土)18:00~ しらかわホール】
●モーツァルト:ディヴェルティメントヘ長調 K.138
●ベートーヴェン:Vn協奏曲ニ長調 op.61
  ○アンコール バッハ:無伴奏Vnソナタ第2番~アンダンテ
→塩川悠子(Vn)
●ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調 op.60
⇒当間修一/シンフォニア・コレギウムOSAKA


先週の土曜日は、大曽根でテオルボ&リュートを楽しんだ後、珍しくダブルヘッダをやりました。名古屋はせっかく徒歩10分の栄圏内に4つもホールがあるのに(東京でもここまでの密度は考えられないでしょう?)、コンサートの密度は低いんだからやり切れません。

しかしながら12日は突発的にコンサート密度が高い一日で、この他に17時から愛知県芸でケント・ナガノ/モントリオールの公演があったために、こちらのしらかわホールはやや寂しい入り。名古屋近在のクラヲタ(特にオケ好きな)諸兄はモントリオールへ行かれた方が多いんじゃないですかね。でもこちらの公演も、よかったんですよ。

シンフォニア・コレギウムOSAKAという団体、大阪を中心に活動している老舗の室内アンサンブルで、活動の母体がバロックの声楽作品演奏ということらしく、もしかしてピリオド団体なのかなあというかすかな望みを持って出かけたら、6割方アタリでした。
この日の弦の編成は6-6-4-4-2と小ぶり。楽器はモダン、配置もモダン、同じパートの中でもヴィブラートへの判断はバラバラで若干見苦しいところがあったけれども、全体として聴いたときにあちこちから感じられるアーティキュレーションへのマニアックなこだわりは、明らかにピリオドアプローチに端を発していると考えてよさそう。

最初のモーツァルトは第2楽章がキモでしたね。
大変失礼な書き方だけども、心配していた技巧が安定していた上、指揮者の意図を表現しようとする意気込みが強く感じられたわけです。各パートの塗りわけが巧い。後半部分で一瞬の隙を突いてVcとKbが空気を一変させてしまったのには驚いた。

協奏曲を飛ばして後半の交響曲第4番。
第1楽章の序奏に迷いがあったというか、もっと抑制してもっと集中することができる団体だと思われましたので、ここだけは残念。主部に入ると快調さを取り戻して一気に駆けていったので安心したんですけどね。
第3楽章からはティンパニ協奏曲状態に突入して一段とダンサブルになり、なかなか楽しめました。ティンパニの激しい強打と音を割るHr隊、弓の付け根をガツガツと当てて弾くVc隊は、先日取り上げたマンゼのエロイカよりずっとマンゼらしい。指揮者・当間氏のセンスと構築力、そしてオケの面々にブラヴォでした。隠れた名アンサンブルだと思いますよ。ほんと。
さてもVc隊は、表現主義的ピリオドスタイル(前半はなんとエンドピン無し)の首席氏と、フレーズ毎に冷静なヴィブラートを掛けていくトップサイドさんとの間に恐ろしい断絶があって、こっちはひとりでハラハラしてしまった(笑)

+ + +

でも、、この夜の主役は塩川女史でした。
アンドラーシュ・シフ夫人にして、30年以上にわたってヤン・クーベリックのヴァイオリン「エンペラー」を操ってきた名ヴァイオリニスト。初めて生演奏に接しました。失礼を承知であえて書きますが、還暦を過ぎられてなお凛とした音の輪郭を保持され、気品ある歌い口にはさらに磨きをかけられたご様子。
無論、メカニックの面では無傷ではなかったけれど、あのようにベートーヴェンの協奏曲の第3楽章を「うきうきし過ぎずに」演奏する背景には、重ねられた齢から醸し出される何かがあるのだろうと思う。フィナーレのカデンツァ、そしてアンコールのバッハは神でありました。
by Sonnenfleck | 2008-04-18 07:13 | 演奏会聴き語り
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