Koba-Ken Special Vol.13

c0060659_2130521.jpg【2008年4月26日(土)16:00~ 愛知県芸術劇場】
<コバケン・スペシャル Vol.13>
●ロッシーニ:《セヴィリャの理髪師》序曲
●ドニゼッティ:《愛の妙薬》~〈人知れぬ涙〉
●マスネ:《ウェルテル》~〈春風よ、なぜ我を目覚ますのか〉
●マスカーニ:《カヴァレリア・ルスティカーナ》間奏曲
●ヴェルディ:《仮面舞踏会》~〈今度の航海は無事だろうか〉
●プッチーニ:《トスカ》~〈星は光りぬ〉
  ○アンコール カルディッロ:《カタリ、カタリ》*
           ナポリ民謡:《オーソレミオ》*
→佐野成宏(T)
●ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 op.92
  ○アンコール 《ダニー・ボーイ》はあったのか?途中で席を立ったのでわかりません。
⇒小林研一郎(*Pf)/名古屋フィルハーモニー交響楽団


「コバケン」かつ「スペシャル」ですから、推して知るべし。
わずか1週間前にツィンマーマンの不健康なスコアを炸裂させたばかりなのに、今度は桂冠指揮者であるコバケン大明神の掛け声の下、大明神のフェイヴァリットを威勢よく演奏する名フィル。プロは大変だ。

前半は普段まったく聴かない曲ばかりでしたので、却ってリラックスして楽しめたなあ。マスネのオーケストレーションってチャラチャラしてるのに品があって面白い。
佐野氏は名古屋の演奏会チラシでもよく名前を拝見していますが、声は明るくて軽くて甘くて、さらに上背もあるために舞台映えもして、ええなあと思いました。
オケの団員をみんな袖に帰して、コバケンのピアノ伴奏で歌ったアンコール2曲。なんでこのプログラムでステージの上にピアノが置いてあるのか冒頭から謎だったんですが、なるほどねえ。。ねっっっっっっとり歌うコバケンのピアノ伴奏も興味深かったし、リラックスして本プロよりさらにムーディに歌う佐野氏がずいぶんよかった。コバケンのアナウンス曰く、ソロ歌手佐野を合唱団の中から見出したのはコバケン自身とのことで、中でも《カタリ》は彼の歌唱指導の賜物だとか。。道理であの演歌的装飾。。

いっぽう後半のベト7は稀に見る品のない造形で、これはもう笑うしかない。
もちろん品のないことを批判するのは簡単ですが、こういうとんでもない(しかしわかり易い)演奏をライヴで安定的に聴かせてくれる指揮者が他にいるかというと、他にはいません。コバケンの文脈で考えればずいぶんいい演奏だったように思います。
前半2つの楽章は比較的すっぴんでありましたが、後半は超スパーク。古典派とかピリオドとか、どっかにすっ飛んでいきました。第3楽章のトリオではちょっと考えられないような凄まじいリタルダンドがかかってオケが崩れかかってましたし、第4楽章はスフォルツァンド(+粘着テヌート)とアクセントの嵐で、お客さん大興奮。名古屋の人ってあんまりブラヴォ飛ばさないなあと思ってたけど、そうでもないみたい。
要約すれば、面白がったもん勝ちということでした。

ベト7ということで、小学生を含む家族連れや普段クラシックには興味がなさそうなカポーを多く見かけたんですが、彼らがこの熱狂的な演奏を聴いたり、終演後の熱狂的な歓声を一構成員として成したりした経験が、後々生きてくれるといいなあと思ったです。定期でヲタを処理し、コバケンのシリーズ(実質的には「名曲シリーズ」)で啓蒙活動をやっている現在の名フィルの体制は、なかなか良好なバランスでありましょう。
by Sonnenfleck | 2008-04-27 07:09 | 演奏会聴き語り
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