アンサンブル・フランセ@しらかわホール

【2008年6月1日(日)11:00~ しらかわホール】
●ドビュッシー/瀬尾(?):《牧神の午後への前奏曲》(五重奏版)
●同:《第1狂詩曲》
●ラヴェル:Pf三重奏曲
●シェーンベルク/ウェーベルン:室内交響曲第1番 op.9
●ガーシュイン/瀬尾(?):《ラプソディ・イン・ブルー》(五重奏版)
  ○アンコール 同曲~終結部
⇒アンサンブル・フランセ
  ニコラ・ドートリクール(Vn)、ローラン・ワグシャル(Pf)、
  ベルトラン・レイノー(Vc代役)、ニコラ・バルデイルー(Cl)、瀬尾和紀(Fl)


しらかわホール主催の「ELEVEN AM」シリーズ第3回目です。(第1回目はこちら。)
この時間のマチネだとまず13時には終わるので、14時開始マチネみたいに「一日終わってしもたあ」感がないことに気がつきました。いいぞーもっとやれー。

で、在フランスの若い音楽家たちによる活きのいいアンサンブル。
とにかく表現の触れ幅が非常に大きくて、夜に聴いたら軽く疲れてたかも。
プログラムがいい。あとルックスもいい。そっち方面で売り出さなかったのは尊敬する。
チェロの通常メンバーにドクターストップがかかって来日できなくなったのは残念。

しかし(他のメンバーには申し訳ないけど)クラリネットのバルデイルーという兄さんがあからさまに別格というか、頭二つ分くらい飛び出た巧者でありましてですね。
主役の瀬尾さんを圧倒する《牧神...》の中のエロティックなパッセージや、《第1狂詩曲》のソロにおける引き出しの多さを聴いて吃驚してしまって、休憩時間にパンフを見たんです。そしたらこの人ミュンヘンのコンクールで優勝してるし、マーラー室内管の元首席→フランス国立管の現首席らしいんですな。こりゃずるいわ。とんだ不意打ちだ。

ラヴェルのPfトリオで冷却冷却。ここではPfのワグシャルの冷めた感覚、必殺仕事人みたいな抑制の美が実にラヴェルらしくてよかったです。彼の不健康なルックスも◎

さても後半のシェーンベルクの室内交響曲第1番なんかもうぶっ飛びにぶっ飛びまくっちゃって、本人たちもブレーキが利かないくらいだったんじゃないか。主にVnのドートリクールのやんちゃな音楽性に因るところが大きいとは思いますが。
この曲の素っ頓狂な部分に嫌というほどスポットライトを当てて、5人が折り重なるようにしてそれを濃ゆ~く表現していくものですから、もしシェーンベルクがこれを聴いたら、キレるか爆笑するかのどちらかだろう。この曲の静かなところを、ウェーベルン版の「薄さ」を聴きにきた人にとってはたまらんでしょうが、僕は楽しめたなあ。熱演だった。

最後の《ラプソディ・イン・ブルー》で…この仏独近代音楽語法戦争は一時休戦。
五重奏バージョンなので輪郭を整えるVnとVcに無理が掛かってるかなという感じは少ししたんですが、Vc代理のレイノーが「仕事してます」っていう感じであるいっぽう、Vnのドートリクールが感情の赴くまま弾き倒してしまうので、全体の輪郭は微妙に揺らぐ。
まあシェーンベルクの後の公式アンコールみたいな位置づけだったからいいですけどね。
ここでもバルデイルー兄さんの異様に巧いソロに釘付け。。この人要チェックだ。
by Sonnenfleck | 2008-06-04 06:42 | 演奏会聴き語り
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