野平一郎とN響トップメンバーによる室内楽@碧南

c0060659_6101587.jpg【2008年7月12日(土)15:00~ エメラルドホール(碧南市)】
●ベートーヴェン:Vnソナタ第5番ヘ長調 op.24
●ドビュッシー:VcとPfのためのソナタ
●シューマン:《幻想小曲集》 op.73
●ベートーヴェン:Pfソナタ第14番嬰ハ短調 op.27-2 《月光》
●メシアン:《世の終わりのための四重奏曲》~
   第6楽章〈7つのトランペットのための狂乱の踊り〉
   第7楽章〈世の終わりを告げる天使のための虹の混乱〉
●モーツァルト/野平多美:Pf四重奏曲変ロ長調 K281
  ○アンコール メンデルスゾーン/野平多美:
   Pf三重奏曲第1番ニ短調 op.49(Cl入りVer)~第2楽章
⇒野平一郎(Pf)、堀正文(Vn)、横川晴児(Cl)、木越洋(Vc)


12日のN響はオーチャード定期で、井上ミッチーとともにショスタコ9番を演奏していたようですが、その日降り番の首席たちが何をしていたかというと、愛知県は碧南市のホールで室内楽をやっていたのでした。
碧南市は知多半島の付け根というか、矢作川の河口部分に位置する工業都市。拙宅からはクルマを飛ばしても1時間半かかるのでありますが、市のホールであるエメラルドホールは変に興味をそそられる企画が多いなあという印象を持っていて(去年も爆安で小菅優を呼んでいたし)、一度は出かけてみたかったホールなのです。

この編成の4人が集まったら、そらもう《世の終わりのための四重奏曲》を演奏しないでどうすんのという感じですけど、さすがに全曲を取り上げたらお客が集まらんよという計算が働いたのかもしれません。メシアンは抜粋、ソロソナタが4人分用意される。まー仕方ない。
しかしプログラムの最後に、作曲家の野平多美氏が、モーツァルトのPfソナタ第3番をメシアンと同じ編成に編曲してしまったトンデモ作品(!)が配置される。わお。

さても、以下3つの発見があったので、往復3時間かけて行った甲斐がありました。

■1 《春》を弾いた人には強く幻滅しました。考えられないくらい雑で、フレーズのテキトーな弾き飛ばし、雑音混じりのピツィカート、ガサガサした弓づかい、どれを取っても聴衆をなめているとしか思えない。東京じゃないから?N響じゃないから?どうせうるさいヒョーロンカもいないから?でもああいう態度は客席へストレートに伝わりますよ。
これからは彼が座ってるときのN響を少し特別な感情で眺めることになりそうです。

■2 木越氏のチェロ立奏!いやー初めて見た。。この写真を見ていただくとよくわかると思うんですが、本人は立って、チェロはエンドピンを普通に出してみかん箱の上に乗せて、つまり座って弾くのと同じ高さで構える。膝で挟むのをやめただけ。
実際にドビュッシーを耳にして感じたのは、
 ●よい点 身体の動きが自然に音に顕れる。膝で消音されないので音が輝かしい。
 ●?な点 楽器を支えるのが左手一本なので、音程の正確さが犠牲になる。
というようなところですが、ここに至った経緯も含めて木越氏の解説が聴きたいッス。

■3 野平多美さん編曲のモーツァルトは、新しいレパートリーとして定着してもおかしくないくらい素敵な仕上がりでした。この日が全曲通しての世界初演だったらしいけど、旋律の振り分けとか付け足しとか実にナチュラルだったし、Cl五重奏曲のモーツァルトが出現しているというところに驚かざるを得ない。ぜひまた聴きたいなあ。
(アンコールのメンデルスゾーンはすでに完成した形態へClを「付加」する形になったので、ちょっと無理があるというか、あれじゃClがおいしすぎるだろうという感じ。)

+ + +

帰りは国道23号線の激甚な渋滞に嵌り込んでエライ目に遭ったのでした。
by Sonnenfleck | 2008-07-14 06:14 | 演奏会聴き語り
<< 火祭りの踊り クス弦楽四重奏団@名古屋 >>