【PHILIPS/UCCP3467】
<エリザベス王朝のヴァージナル音楽> ●バード:パヴァン〈Ph. トレジャン〉とガリヤード ●同:ネヴィル夫人のグラウンド ●ジョンソン:アルマン ●フィリップス:パッサメッゾ・パヴァーナとガリアルダ・パッサメッゾ ●モーリー:ファンタジア ●ブル:ブルンスウィック公爵夫人のトイ * ●同:ブルンスウィック公爵のアルマン * ●同:ラムレー卿のパヴァンとガリヤード ●同:ファンタジア ●ランドル/ダウランド:ガリヤード《わたしの罪をあの女は許してくれる?》 ●ファーナビー:トイ ●ギボンズ:ファンタジア ●トムキンズ:3声部のパヴァンとガリヤード ●ギボンズ:ファンタジア ●ファーナビー:ファンタジア ⇒グスタフ・レオンハルト(Cem&Vrg*) 一旦モンポウまで行ってしまった後に何を聴くか?これは大きな問題。 僕が普段楽しんで聴いているバロック音楽はせいぜい上限がリュリ(とリュリの影響を受けた作曲家たち)くらいなもので、案外狭い範囲なのです。そこを出て遡ると一気に楽しみ方が難しくなって、フローベルガーやフレスコバルディになると震えが走り、3Sになると冷や汗が出て、モンテヴェルディではもうついていけなくなってしまう。完全なる食わず嫌いなので、そのうち開拓していかにゃならんなと思ってはおりますが…。 従ってパーセル以前の、1600年を跨ぐイングランドの作曲家たちのストイックな作品はなかなか馴染めなくて、このディスクも手に入れて一回聴いてから放っておいたのでした。 しかしあのモンポウの後に聴くと、なんと華やかで饒舌なことか! 「何を聴いても同じように聴こえる」というのは、昔まだ後期バロックのよさがわからなかったころと同じ症状で、これは聴き込んでいけばそのうち解消される症状だということもわかってる。当然、まだそれぞれの差異がはっきりと楽しめる段階じゃないけども、レオンハルトの丁寧な加工によって古雅な輝きを得ているんだなというぐらいはわかるようになった気がする。しかし逆に、この禁欲的な作品たちに装飾をジャラジャラぶら下げたらどのように聴こえるのか、それも気になります(作品の様式的にOKなのかわかりませんが)。 バードはなんとなく大人な余裕があって、ギボンズは端麗辛口。 唯一ヴァージナルが使われるジョン・ブルの2作品はどちらも親しみやすいメロディ。 フィリップスのパッサメッゾ・パヴァーナとガリアルダ・パッサメッゾだけは、このアルバムの中では異色のバッハみたいな真面目な曲調で、レオンハルトの端正なタッチが活きます。
by Sonnenfleck
| 2008-08-07 06:51
| パンケーキ(17)
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Comments(2)
こんばんは、「オペラの夜」です。
大雑把な傾向としてバードはミサ曲を、ギボンズは鍵盤曲を、モーリーやトムキンズはマドリガルを得意とする、と云う事になっております。 あの時代のイギリス音楽は、やはり軽やかなマドリガルに、その醍醐味があると思います。端正な歌い口のキングス・シンガーズがお勧めです。
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Commented
by
Sonnenfleck at 2008-08-13 21:49
>Pilgrimさん
コメントありがとうございます。 ううむ。楽器同士の合奏にどうしても愛着を感じてしまう当方にとって、このあたりはまさしく手薄な分野であります。オペラを観るのであれば楽器のアンサンブルだけじゃなく声のアンサンブルについても知悉しておかなければいけませんね。マドリガル聴いてみます。
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