ビバ!チャコーナ ~ダンサブルなイタリア音楽~@宗次ホール

c0060659_643598.jpg【2008年9月7日(日) 15:00~ 宗次ホール】
●ジローラモ・ダラ・カーザに基づくパッサカリア《小さなジャック》
●メールラ:チャコーナのアリア《恋のリラにのせて》*
●即興演奏:第一旋法による異国風パッサカリア
●カッチーニ:アリア《私の美しいアマリッリ》*
●ファルコニエーリ:フォリア
●フレスコバルディ:フォリアのアリア《そよ風が吹けば》*
●カステッロ:ソナタ第1番
●メールラ:子守歌による宗教的カンツォネッタ《さあ眠りなさい》*
●モンテヴェルディ:アリア《苦しみはこんなにも甘く》*
●即興演奏:パッサメッツォ・モデルノ
●サンチェス:パッサカリアのカンタータ《簒奪者にして暴君》*
  ○アンコール カッチーニ(絶対に偽作):《アヴェ・マリア》*
           フレスコバルディ:フォリアのアリア《そよ風が吹けば》*
⇒アントネッロ+弥勒忠史(C-T *)


いやー面白かったなあ。しかし強い個性同士のぶつかり合いを聴くのは疲れるなあ。

初期バロック苦手の自分には当初やや気の重いプログラミングでしたが…まったくそんなことはなかった。渋みの強いカステッロに悩まされたくらいで、あとはとにかく動きもメロディも豊富な楽しいナンバーばかり。モンテヴェルディの旋律性って革新的だったんだねえ。
しかしその一方でメールラの子守歌による宗教的カンツォネッタ《さあ眠りなさい》は、マリアが赤ん坊のイエスを腕に抱いて左右に揺する音型が、不気味なバッソ・オスティナートにより極めて描写的に用いられる作品。見事に睡魔を呼び起こします。(←寝た)
それからフレスコバルディ!
フォリアのアリア《そよ風が吹けば》はその名前のとおり、フォリアの進行に基づいたアリア。フレスコバルディがこんなに陽気な曲を作ってたなんてなー。

さてアントネッロのコアメンバー3人が激しく「キャラ立ち」した音楽をやるのは十分に予想されていたんですが、カウンターテナーの弥勒忠史氏が、さらに輪をかけて濃いキャラクタ。僕はこの方、寡聞にして存じ上げなかったんだけど、90年代後半にBCJへ参加した後イタリアへ渡ったらしく、現在はイタリアを中心に活躍されているとか。
弥勒氏は、もともとの女声的な美声のうえに日本人離れした表現欲+表現力がある歌い手でありまして、濱田氏の強烈な即興にもまったくたじろがず、「ちょっ、リハと全然違うじゃないッスか!」みたいな感じなんだけどむしろ楽しいぜ的な顔をして歌ってしまう。合間合間の喋くりもリズミカルだし、エンターテイナーなカウンターテナーでした。いいねえ。
公式ブログ見つけた。集英社新書からも出されてるんですね。)

目白バ・ロック音楽祭の最初の年に聴いた《モンセラートの朱い本》以来、相変わらず濱田氏のコルネットとリコーダーは世俗を極めた不良のカッコよさだし、西山さんのハープは官能的に揺らぐし、冷静な石川さんもときどき切れるし、マジな即興らしく綱渡り...な場面もたくさんあったし、アントネッロのライヴはBCJの静かすぎる世界とは対極なんだろうな。
したがって、古楽ライヴといったらBCJしかなかったここ数年の自分を見つめ直さざるを得ない、そういう結果になりました。近江楽堂や新大久保のルーテル教会、白寿ホールやトッパンホールでの古楽ライヴへ日常的に足を運ばれている方は、とても幸運だと思う。

アンコール。「絶対にカッチーニではない人によって作曲された」との前置きののち《アヴェ・マリア》。さらに(名古屋では大変珍しいことに)拍手が手拍子に変わってしまって、「作戦会議」ののち急遽、前半のトリであったフレスコバルディをもう一度演奏してくれました。ノリノリ。

+ + +

来年の3月にも宗次ホールでの公演が決まったみたいです。《笛の楽園》だそうで。
この日限定の特別先行発売で、チケット買っちゃったよ!
by Sonnenfleck | 2008-09-09 06:09 | 演奏会聴き語り
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