ルイサダ+モディリアーニQでお腹いっぱい@名古屋

c0060659_1064823.jpg【2008年10月7日(火)19:00~ 電気文化会館】
●ブラームス:Pf五重奏曲 へ短調 op.34
●シューベルト:Pfソナタ第4番 イ短調 D537
●同:4つの即興曲 D899~第4番 変イ長調
●同:Pf五重奏曲 イ長調 D667 《ます》*
 ○ラヴェル:弦楽四重奏曲 ヘ長調~第1楽章
 ○ショパン:Pf協奏曲第1番 ホ短調 op.11(Pf六重奏版)*
        ~第2楽章
→モディリアーニ弦楽四重奏団+クリストフ・ディノ(Cb *)
⇒ジャン=マルク・ルイサダ(Pf)


のっけから恐縮ですが、全席@8000円でした。
これを高いと考えるか安いと考えるか、、僕は前者ですが、この日この値段のチケットがほぼ完売に近い売れ行きだったのは、NHKの「スーパーピアノレッスン」の「ルイサダ先生」効果なのかしらね。お子さん供が妙に多かったし。

最初のブラームスは日中の疲れがどっと押し寄せて轟沈。感想はパス。

休憩後から本格始動して…この日のソロは2作品とも面白い仕上がりでした。
ルイサダのライヴを聴くのは初めてですけど、彼のシューベルトはアーティキュレーションに異常に凝りまくっていて、お洒落かつ奇矯な造形。一部のシューベルト作品でこれをやられたら席を蹴って立ち去ることも吝かではないですが、この2作品のフレームはそうした彼のスタイルに曝されてもうまく持ちこたえている。

ソナタ第4番第2楽章がソナタ第20番に引用されているので馴染みがあります。件の楽章はノンレガートで飛び出してまるでグールドのようでしたが、そんな中からロンド主題が徐々に抒情味を増していく様子はお見事のひとこと。奇矯ではあるけれども地の部分はけっしてノリだけじゃない、というのがいいですよね。
一方で変イ長調の即興曲は、、妙に外面的に飾り立てられていて可笑しい。シューベルトの深淵に対する照れ隠しのようにしか思われない。

さて《ます》ですが。
一緒に来たモディリアーニQという若いグループはルイサダの「オキニ」らしく、たびたび共演しているとか。彼らは今年のラフォルジュルネでも来日してましたね。
ハンサムな兄ちゃんばかり4人。華やか。しかしです。
ノリと地の違いをかっちりとわきまえたルイサダの後に聴くと、ノリ一直線の彼らの演奏はいかにも青臭い学生さんのようで、ちょっとまだまだ感が強いのが実際のところ。1stVnクンなんか特に音程も発音もテキトーな感じを醸しだしていて残念(誠実にやれば素敵になるのは、最後にアンコールのラヴェルで証明されることになる)。そうした彼と、仕事人気質のVaクンとVcクンとの差があそこまで激しいのは、カルテットとして心配。

アンコールのラヴェルとショパンが、でも、モディリアーニQとルイサダのこの日のベストフォームだったように思われます。水を得た魚のように生き生きとしていたなあ。シューベルトとかブラームスってそんなに好きじゃなくない?もしかして?

最後は客席大喜びで、まさかのフル・スタンディングオヴェーション(名古屋では大珍事)。
時計を見ると21時50分を過ぎる重量級メニューでありました。
by Sonnenfleck | 2008-10-10 06:35 | 演奏会聴き語り
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