2007年 05月 25日 ( 1 )

ふりだしにラヴェル。

c0060659_74431.jpg自分が出会った最初の「クラシック」は、マゼール/フィルハーモニア管《ボレロ》《亡き王女》なのであります。
今でも、リズムのはっきりしない、感情に惑溺したような演奏が好きじゃないのは、初めに毎日毎日毎日毎日このラヴェルを聴いていたせいなんだろうと思う。これがカラヤンでもなくクリュイタンスでもなく、メタリックな若いマゼールの演奏だったのが運命的です(旧友S氏に感謝)。

今は「ユネスコ・クラシックス」という間抜けな形態でしか手に入らない録音なのだけど、クレンペラー時代末期(たぶん)のフィルハーモニア管が、40歳のマゼールに思いっ切り絞られて、物凄い人工美を発散しています。こんなに膨張しない《ボレロ》は他に知らない(遅れがちなTbソロや、得てして気持ちよく歌われがちなVn軍団へ、スネアが涼しい顔で遠慮なく攻め込むのです)。
もっと正確に言えば、自分にとってはこれこそが完璧なスタンダードであって、肉のついたラヴェルは邪道なのだよなあ。マゼール自身は後年、肉の魔力に取りつかれてしまったけども。久しぶりに聴き返してつらつらと考える。
by Sonnenfleck | 2007-05-25 07:12 | パンケーキ(20)