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準備運動は大切

c0060659_22454039.jpg平成16年度も今日でおしまい。明日から激動の一か月です。人生決まります。
どうなるんだろうなあ。
何かの本で、浪人が決定した夜、することもなく寝転がってワルターのブルックナー9番を聴いていたら、不安に苛まれて思わず飛び起きてしまった、という体験談を書いてらした方がいました。…僕はパンドルフォのマレでも聴いてもう寝ます。明日早いし。
《フォリアとクープレ》(《スペインのフォリア》のほうが有名かな)の録音は、パンドルフォが巧い。「天使のマレ」「悪魔のフォルクレ」という有名な逸話もありますが、パンドルフォは悪魔的なボウイングで聴き手を幻惑します。
by Sonnenfleck | 2005-03-31 22:55 | パンケーキ(17)

ハンス=マルティン・シュナイト指揮神奈川フィル:自信

【2005年3月29日(火)19:00〜 特別演奏会/ミューザ川崎シンフォニーホール】
●モーツァルト:ディヴェルティメントヘ長調 K. 138
●同:モテット《踊れ、喜べ、幸いなる魂よ》 K. 165
→臼木あい(S)
●ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調《田園》 op. 68


この演奏会に行った理由は
1、シュナイトの指揮を聴いてみたい
2、ミューザ川崎に行ってみたい
という二点であります。
クラシック招き猫の常連さんで、シュナイトの熱烈なファンの方がおられます。その方がお寄せになったシュナイト讃に思わず引き込まれ、いつか彼の指揮を聴いてみたいものだと思っていた矢先、今日の演奏会が。幸い当日券が出るようなので川崎に直行しました。シュナイトは1930年生まれの75歳。急逝したリヒターの後任としてミュンヘン・バッハ管の芸術監督を務めるかたわら、バイエルン国立歌劇場でも常任指揮者として辣腕を振るっていた人です。どうしてもっと有名にならないのかしらん。
川崎に降り立つのは実に2年ぶり。友人とともに二郎を食べに行って以来です。ミューザも今日が初体験。
内部は「かなり」複雑な造りです。オープンして一年経っていないせいか、客も係員も席を見つけるのに随分苦労している模様。僕はステージに向かって左上方の2階席を買ったのですが、そこからホール全体を眺めると地面と平行でない線がかなり目について疲れます(^^;)舞台の端と直角に交わる直線を引いても、線対称にならない。すみだトリフォニーのジェットコースターもすごいですけど、ミューザも負けてないですねー。

コンマスに続いて登場したシュナイトは丸っこい好々爺。ちょっとスヴェトラーノフに似てます。モーツァルトのディヴェルティメントと《踊れ、喜べ〜》の感想は割愛。今日は《田園》に絞って書きます。
結論から言いますと、、この指揮者はいま聴いておかなきゃだめです!!!!
最近の流行に反して、テンポは(ベームのように)まったり、そしてKbが3プルト。重心の座った音色が自然と支配的になりますが、かといって鈍重かというと全然そんなことはない。弦楽器、特にKbとVcの表現の幅を非常に広く設定し、出るところと抑えるところを自在に操ります。普通の指示が1〜5までだとしたら、シュナイトの出す指示は1〜100くらい広く、多彩なんです。ために第1、2楽章ではまさに木漏れ日のような微細な立体感が表現される。こういう「広さ」はノリントンやアーノンクールの演奏でよく耳にしますが、シュナイトはそれをあくまで「普通」の、昔ながらのモダンスタイルでやってのけます。でも考えてみたらこれができる指揮者って少ないですよね…。
白眉は第3楽章から。「農夫たちの楽しい集まり」がここまで泥臭く演奏されるのを聴いたことはありません。それまで比較的抑え気味だった低弦を一気に解放し、轟音とともにかなりの遅いテンポで<村の踊り>をやってのけます。椅子に腰掛けたシュナイトもこのときは指揮台を踏んで陽気にテンポ取り。中間部のHrソロ、ブラヴォー。
そして「雷雨、嵐」…最も堅いバチを手にしたティンパニが渾身のトレモロを叩きますが、悠然としたテンポを崩さず、決して下品・露悪趣味に落ち込まない。遠雷の静けさを描写するシーンの緊迫感は特筆ものです。ここではKbに非常に細かなキューを出しているのが見える。土台を千変万化させるから、この多彩な感触が生まれるんですね。第5楽章は天国的な高揚感をもって進みます。…おかしい。何もしていないように聞こえるのに…。西洋音楽は音のヒエラルヒーをどのように瞬間的に作りかえていくかというところに本質(のひとつ)があると思いますが、シュナイトはそれが完璧にできてしまっているんです。もうこれでしかありえない!と瞬間々々に思わせる手腕は凡百の指揮者には備わっていないもの。そして聴衆にそう思わせてしまう彼の「自信」…なんでもっと早くこの指揮者を聴かなかったんだろう◎◎

次の神奈川フィル登場は4月16日の定期演奏会。曲はブラ1(!!!!!!)です。たぶん彼の芸風とぴったり。ブラ1に必要なものは、間違いなく「自信」です。
by Sonnenfleck | 2005-03-30 00:20 | 演奏会聴き語り

野比のび太の修業時代

テレビ朝日のニュース番組で、ついに新しいドラえもんの声を聞いてしまいました。
のび太とスネ夫が基本的に以前とほぼ同じ声質、14歳声優ということで危惧していたジャイアンもなかなか悪くない。のですが、、ドラえもんが思慮の浅い感じに、しずかがいかにも今風のアニメ声になっていて凹みます。うーん。そういえば一時期、「大山のぶ代の声をコンピュータで合成して、彼女の引退後もそれで続けていく」なんていう気持ち悪い噂も流れましたね(((((^_^;)

声優と同時に制作スタッフも総入れ替えがなされたはず。ニュースでは来月からの「新」ドラえもんの映像も少し流れましたが、声以上に…これは…別物ですね。ヲタクが「萌え」を寄せる対象となりうるような仕上がりです。レンタル・ショーケースの中に鎮座ましますジャイ子フィギア。
昭和後期の風景は、「趣都」の風景に取り込まれていくのかなあ。でも、ひとまずは暖かく見守ってあげたいものです。新キャスト最初の放送は4月15日(金)19:00から。
by Sonnenfleck | 2005-03-28 20:29 | 日記

桜の下には

c0060659_14564638.jpgシューベルトのピアノ三重奏曲が好きです。
変ロ長調 D. 898 と変ホ長調 D. 929 の二曲があり、どちらもどうしようもないくらい切ないのですが、今は前者をよくトレイに乗せます。第5交響曲、ピアノソナタ第21番、、シューベルトの変ロ長調作品ってどうしてこんなに現実の汚さから遠いところにあるんでしょうね。優しく話を聴いてくれてるようで、ぜんぜん目の焦点があってない、というか、こっちの方なんか一顧だにしてない冷たい感触

この曲の白眉は第2楽章。コーヒーを煎れて、これを聴きながら春の午後のぼんやりした晴れを見ていると、このまま消えてもいいかな…と思います。

先日、映画「ローレライ」を見てきました。終戦前夜、アメリカによって3個目の原爆が東京に落とされようとしています。それを防ぐのが、日本軍がドイツから接収した潜水艦「伊507」。この潜水艦には謎の超高性能索敵システム「ローレライ」が搭載されていた…というのがだいたいのストーリーですが、、しかしまあなんと男臭い映画。海軍と潜水艦が主な舞台ですので、作品中に登場する女性はわずか2名。狭い潜水艦のなかで繰り広げられる男同士の熱い熱い友情についグッと来ます(^^;;;;)
海中での(文字どおり)息詰まる攻防、重厚な脇役(ピエール瀧、國村準、小野武彦、、いい俳優たちを集めました)、適度などんでん返し…非常に質の高いエンターテインメントです。設定が大戦末期ですのでこちらは必然的に悲劇を予想しますが、見終わったあとの爽快感は約束できます。もし映画がエンタメであるならば、これは文句なく最上の作品でしょう。誰が見ても楽しめます。それは致命的かもしれないけど
by Sonnenfleck | 2005-03-27 16:04 | パンケーキ(19)

うちに管理人さんはいない

フィッシャー(のような旋律の断片)が回りまくりです。家で、駅で、ぐるぐるぐる。次はムファットだ。

そんななかAmazon『めぞん一刻』の文庫版全十巻を一気に大人買いしちゃいました(笑)
かなり前に友人から借りて少し読んだことがあったのですけど、なんかここ数日無性に読みたくなっちゃいまして(^^;;)というか昨日注文して今日届くんですね。さすがー。
ストーリーはベタベタ、絵の水準はもろに80年代ど真ん中、しかもうだうだと長い…のですが、やっぱり永遠の青春マンガなんですよ。僕はこのマンガのころの世界をリアルに知っている世代ではないけれど、そういう読者をも容易に取り込んでくれる広さがあると思います。僕は普段マンガをまったく読みませんが、この作品は別。これから徹夜してしまいそうで恐ろしい◎◎
これを読んで管理人付きのアパートを探した人って多いんじゃないでしょうかー。
by Sonnenfleck | 2005-03-25 23:57 | 日記

リュリスト番付・東の横綱

今日は東京文化会館でスローン/都響によるベルティーニ追悼の〈アダージェット〉が演奏されたことと思います。うーん行きたかったー。

c0060659_18364692.jpg僕は電車の中で音楽を聴くことが多いのですが、その日の朝CDウォークマンにどのCDをセットするかで、10分くらい棚の前で悩む。ヴォツェックは万一音漏れでもしてるとかなりやばい人だし、ブルックナーみたいにpとfの差が激しい作品だと、ついpに合わせて音量を最大にして聴いてて金管のfffで飛び上がる。結局ダイナミックレンジの狭いバロック、特に強弱変化が起こりえないチェンバロに落ち着くことが多いのですが、このCDはそんな朝の選別に勝ち残ってきた猛者です。Diapason d'or 受賞の名盤。

ヨハン・カスパル・フェルディナンド・フィッシャー Johann Kaspar Ferdinand Fischer (1656-1746) は、バーデン辺境伯の宮廷楽長を務めた、中後期ドイツバロックの作曲家です。彼は17世紀の大スターであったリュリからもう取り返しのつかないくらい影響を受けてしまい、「レンブラント・ファン・レイン」と「レンブラント工房」くらいの近似性を保ちつつ生涯にわたってリュリっぽい作品を量産しました。
このCDに納められているのは Musicalischer Parnassus というチェンバロソロのための組曲集。全部で9つの組曲にはそれぞれカリオペ、エラート、テレプシコーレなど、ゼウスの娘である9人の詩歌学芸の女神の名前が冠されています。

フィッシャーの美点はパッサカリアに表れる。9番目の組曲〈ウラニエ〉は13の舞曲からなる長大な作品ですが、その末尾に配されたパッサカリアの、なんと気高いこと。あくまで節度を持って、陰翳の濃いホモフォニーが縷々と流れてゆきます。
チェンバロのメイヤーソンはシカゴ生まれの実力派女流(公式ホームページで件の〈ウラニエ〉のパッサカリアが試聴可能)。隈取りのはっきりした非常にハイレベルな演奏です。この人はトリオ・ソネリーの創設メンバーでしたので、ラモーの《コンセールによるクラヴサン曲集》でも見事な腕前を聴くことができます。
by Sonnenfleck | 2005-03-24 19:57 | パンケーキ(17)

岩城宏之指揮オーケストラ・アンサンブル金沢:カオス<コスモス

今日は一日完全にOFF。朝から友人たちと東京都美術館のミュシャ展を見に行くつもりでおりましたが、、昨日が祝日の月曜であることをすっかり失念…今日は休館なのでした(笑)
転んでもタダでは起きぬ、ということで、雨もよいで人が少ないのをいいことにそのまま上野動物園へ突入!! 雨で暗い動物園は安部公房の『壁』を思い出すのでちょっと怖いのですが、今日は見物人が非常に少なく、これはこれで快適なものです。
実は生まれてこのかた、パンダというものを見たことがありませんでして(汗)、本日生パンダ初めをやってまいりました。かわいいもんですねー!! 笹食ってる!!

その後OEKのことを思い出してサントリーホールへ移動、首尾よく当日券を確保◎
【2005年3月22日(火)19:00〜 OEK第20回東京定期公演/サントリーホール】
●宮城道雄/池辺晋一郎:《春の海》
→宮城・正派・沢井 合奏群(箏)
●ブルッフ:Vn協奏曲第1番ト短調 op. 26
 ○アンコール 《荒城の月》
→アン・アキコ・マイヤース(Vn)
●ブラームス:交響曲第1番ハ短調 op.68
 ○アンコール ブラームス:《ハンガリー舞曲集》から第1番ト短調


すさまじい選曲に一瞬たじろぐも、岩城宏之の指揮を一度生で聴いてみたく、潜入。
一曲目、宮城道雄作曲、池辺晋一郎編曲の《春の海》。例の有名なお正月メロディです。舞台の手前、指揮台より前にかなり広く緋毛氈が敷かれ、その上に30人の箏奏者がずらり。着物の色が完全にバラバラなので視覚的に非常に気持ち悪い(^^;;;;)しかし気持ち悪いのは見た目だけではなかった。一応30人箏の中にもリーダーのオバサマがいるのですが、指揮者を見ているのは彼女のみ、残り29人は指揮者に目もくれず下を向いて自分に浸るだけです。ゆえにオケとの拍節的なズレは救いがたいレベルに達し、リタルダンドで終止する曲尾ではおぞましい破綻が●●これがアジア的混沌かとひとり合点しまくり。そもそも邦楽器には何十人もの奏者がユニゾンで同じ旋律を弾く習慣がないわけですから、それを強引にオケと合わせるのはムリがあるのかもしれない。もうちょっと工夫できたかもしれませんよー池辺センセ
2曲目ブルッフの感想は割愛。激音&弾き崩し系のなんていうことのない演奏でした。

休憩を挟み、最後はブラ1。
編成が小さくなると、それだけごまかしがきかなくなります。OEKは1stVnが4プルトしかない室内管ですので、非常に響きが薄い。しかし…このオケは巧い。ここまでレベルの高い合奏体だとは予想だにしませんでした。各個人の技量、アンサンブル能力の高さ、、常設の強みです。
岩城の指揮は速めのインテンポ主体で、ほっとんどまったくタメを作りません。これじゃアシュケナージと同じかしら、、と思いますが、さにあらず。オケは横へ横へと流れる流線型を成すわけですが、そこへ楔を打ち込むのが本日の主役、ティンパニ。正直、これほどのティンパニストが地方オケにいるとは…という感じなのです。立ち上がりのしなやかさ、ホール全体を揺さぶる轟音、弱音トレモロ、的確なリズム感、どれをとってもハイレベル。在京オケにひとりでもこんな人がいれば。。岩城は彼に絶対の信頼を置いているようで、要所々々でティンパニ協奏曲のような様相を呈します。かくして流線型は心地よい棘を帯び、洗練コスモスを突き詰める作戦はもう一段階上の成果を出します。
by Sonnenfleck | 2005-03-23 00:33 | 演奏会聴き語り

妖しい水族館

c0060659_232953.jpgブーレーズ80歳記念シリーズ「BOULEZ 2005」のなかの一枚。
タワレコの店頭で試聴→あんまり美しいので思わず手に取る→ちゃきちゃきの新譜→高い→中古待ち、、という順路を辿りましたが、先日ディスクユニオンで少し安く売られているのを発見、めでたく購入の運びとなりました。
このCDにはブーレーズの代表作 Le Marteau sans maitre (《主のない鎚》) の最新録音が収録されています。演奏はもちろんブーレーズ指揮アンサンブル・アンテルコンタンポラン。よく知られているように、この作品はルネ・シャールの詩を歌うメゾ・ソプラノ独唱、アルト・フルート、ギター、ヴィオラ、ヴィブラフォン、シロフォン、打楽器、というすてきな編成が指定されています。浮き上がり、絡み合う楽器たちと、その音が消える局面へのこだわりが異常に美しい響きを作り出します。作曲は1953〜55年。
吉松隆は彼の著作の中で「セリエリスムによっているが『知性100%』ではなく感性の音楽であり、言うならばセリー式印象派風叙情音楽」とこの作品に対する感想を述べ、比較的よい評価を与えています。僕はあの人のゲンダイオンガク観が、すごく、マジで、心の底から大嫌いなのですが、珍しくここでは彼と同じ意見です。南ニ現代音楽ヲ恐レル人アレバ コレヲ渡シテコハガラナクテモイヽトイヒますね僕は。
by Sonnenfleck | 2005-03-21 22:18 | パンケーキ(20)

スティーヴン・スローン指揮都響:「消え入る」音

【2005年3月19日(土)14:00〜 <作曲家の肖像>VOL. 55/東京芸術劇場】
●ショスタコーヴィチ:交響曲第8番ハ短調 op. 65


いてもたってもいられなくなり、当日券で都響を聴きに行きました。
芸劇の長いエスカレータを登りきったロビーに、ベルティーニの逝去とプログラムの変更を伝える「急告」の張り紙。本来、この演奏会では前半に同じ作曲家の喜歌劇≪モスクワ=チェリョームシキ≫組曲が予定されていましたが、都響のサイトにもあるように、音楽監督の死を悼み、交響曲第8番のみの演奏となりました。それに合わせて料金が全席種半額(こんなことは初めて体験します)。

入場するとクローク近くにベルティーニの遺影と白い献花。頭を垂れて黙祷する方もおられました。
団員が入場する前、都響の副理事長氏がマイクを持って現れ、一連のニュースを伝えます。今日の曲目変更は、ベルティーニの弟子であったスローンと都響側が急遽話し合った末に決定した模様。重苦しい雰囲気が会場を満たします。

冷たい弦の響きで始まる第1楽章。音のあるところよりも音もないところの方が大切なんじゃないかと、今日は間違いなく思いました。減衰し拡散する音を注意深く整理する指揮者。オケもそれを認識し、中間部で盛り上がるところでも不自然な肥大化を避けてきりりと引き締まった響きを造り出します。
第2、3楽章は、やろうと思えばいくらでもあざとく、ケレン味たっぷりにできる箇所です。しかしそうはしない。都響というオケは、互いの音を聴き合うというアンサンブルとして最も大切なことをきちんと守ることのできる団体ですので、合奏を聴く妙味ここに極まるという感じです。奇を衒った爆音や極端なテンポ変化は一切なし。第3楽章のTpソロ、ブラヴォー。
この演奏の要は第4楽章であったと思うわけです。薄い更紗を幾重にも重ねたような繊細な音で痛切な歌を奏でるオケ。それを邪魔せず、的確な拍節指示を与える指揮者。浮き上がることよりも消えることを重視する今日の演奏には、それにしてもじんときました。
そして明るい和音を残してふわりと消える第5楽章のコーダ。沈黙。満ち足りた静かな拍手。
by Sonnenfleck | 2005-03-19 23:30 | 演奏会聴き語り

永訣

ベルティーニが死んだ。。。
音楽を聴くことを趣味としてから、何人かの演奏家の死を体験してきましたが、今日ほどの虚無感に襲われたことはない。最も尊敬する指揮者の死は…取り返しのつかない絶望。彼の作り上げる音楽はどれも溢れるほどの美に煌めきつつ軽やかに飛び跳ね、彼の指揮する都響は、その瞬間、絶望的な高みにありました
ボレロ、ラ・ヴァルス、ブラームスツィクルス、夜の歌、大地の歌、未完成、千人、そしてマーラー9番。あの初夏の午後、実際のところ僕は、音楽にある種の恐怖を覚えました。真に心に迫る音楽は、その人間の心を冒しかねない。あの9番は僕を変えてしまった。

マエストロ、本当にありがとう。僕は人生の一時期をあなたと同じ横軸で過ごせたことを誇りに思う。安らかにお眠りください。合掌。
by Sonnenfleck | 2005-03-18 22:18 | 日記