<   2011年 08月 ( 13 )   > この月の画像一覧

サントリーサマーフェスティバル2011|映像と音楽 - グラス・ハーモニカと砂漠(8/22)

【2011年8月22日(月) 19:00~ サントリーホール】
●シェーンベルク:映画の一場面への伴奏音楽 (1929-30)
●フルジャノフスキー監督へのインタビュー
●フルジャノフスキー×シュニトケ:《グラス・ハーモニカ》(1968)
 (35mmフィルム、カラー、21分)生演奏付映像 世界初公開
●「ビル・ヴィオラ《砂漠》を語る」
●ヴィオラ×ヴァレーズ《砂漠》(1994制作/1949-54作曲)
 (35mmフィルム、カラー、29分)生演奏付映像 日本初公開
→有馬純寿(エレクトロニクス)
⇒秋山和慶/東京交響楽団


ソヴィエト文化に興味を持つ者としてはやはり、フルジャノフスキー×シュニトケの短編アニメ《グラス・ハーモニカ》に強いインパクトを受けた。こんなお話。
金権支配の激しいある都に一人の音楽師がやって来る。人心を惑わせる者として彼は逮捕され、楽器も破壊される。が、その音はひとりの少年の心を捕らえて離さなかった。その少年が大人になったとき・・・黒帽警察とその黄色い魔力に落ち、果てしない欲望、孤独、残酷、野蛮にかられた人々はひたすら、シュール、グロテスクに描かれる。グラスハーモニカの静かで澄み切った美しい音色はその魔力を解き、人々に徳が宿り、善行をせしめ、マリアのいる天井の世界へと誘う。ボス、デューラー、アルチンボルドグラスの肖像やルネッサンスを思わせる均整のとれた美しい典雅な世界が広がる。(サントリー芸術財団HPより)
以下、フルジャノフスキー監督の言葉をかいつまんで。

◆《グラス・ハーモニカ》は完成当初、当局の検閲を通り抜けられなかった。
◆そのためソヴィエト指導者のカリカチュアライズをやめた改訂稿を制作し直したが、それでも結局、公開できなかった。
◆改訂稿には「これは資本主義の国のお話です」というテロップを入れざるを得なかったが、民衆がそれを見たら笑っただろう。本当はどこの国のことか、すぐにわかるからだ。
◆現在のロシアに残るフィルムコピーは4本のみで、上映はいまだ困難。そのため今日この東京公演が、公開のかたちでの世界初演である。
◆私の大切な友人アルフレート・シュニトケの音楽もまた、当時は公開演奏されるようなことはほとんどなかった。
◆「アルフレート、君はやがて世界でもっとも著名な音楽家の仲間入りをすることになるよ」と言ったら、彼は笑っただろう。
◆世界はこのアニメの内容のように、金こそがすべて、という状況になってしまった。今こそ、この作品が上映されるべき時だ。
◆ドストエフスキーは「美は世界を救う」と書いている。
◆美に対して鋭敏な感覚を持つ日本でこの作品が上映され、また自分がその場に立ち会うことが出来、たいへん嬉しい。ありがとう。

という感じ。
YouTubeにあった断片を貼っておく。僕がごちゃごちゃと描写するより、実際にこれをご覧いただくのがずっといいよね↓


シュニトケの音楽はすでに、後年と同様の厳しさを備えている。
すなわちスラップスティックと激しいクレッシェンド、打楽器の透明感、バンドネオン、怪物たちの乱痴気騒ぎの躍動感。グラス・ハーモニカの優しいBACH主題から展開する典雅な擬バロック、そしてそれを台無しにする強烈な不協和音…。秋山/東響のプチ重厚な響きが美しい。シュニトケの純音楽的作品はあまりにも苛烈で個人的には敬遠気味だったが、ちょっと考えが改まったのだった。

「金貨の悪魔」によって二度も破壊されたグラスハーモニカが、最後は薔薇の姿で人々を救済し、悪魔は滅びる。理知の時計塔が再建され、画面は静かに暗転する。再びBACH主題が流れるエンドロール。幕。大喝采。
客席のフルジャノフスキー監督は何度もステージに呼ばれ、歓声と拍手を浴びる。隣に座る奥さまは感に堪えない様子で、ずっと泣いておられた。そりゃそうだよね。

監督が最後にとった行動は、この公演のモニュメント性を示していた。秋山さんからシュニトケのスコアを受け取り、僕たちに向かって高々と掲げたのである。

+ + +

後半はビル・ヴィオラ×エドガー・ヴァレーズ。

さて、僕には、ヴィオラの映像が美しすぎて、少なくとも音楽との共同ではなくなっていたように思えた。これはヴィオラの映像を貶しているわけではないし、ヴァレーズの音楽に力がないと言っているのでもない。ただ「どちらがカンヴァスか」という順序構造ができてしまっただけだと思うのだ。
したがって僕にとっては、生演奏付きの、とびっきり贅沢なヴィデオインスタレーションだった。もし生演奏でなければ、都現美の暗い部屋に座って眺めるインスタレーションとそれほど変わらなかった。

もちろん、ここで想起されるのはパリ国立オペラ《トリスタンとイゾルデ》でのセラーズ+ヴィオラ+ワーグナー、というコラボだが、思い返しても、あのときは今回のようなインスタレーション風味を感じなかったのはなぜか。それは何よりも、ワーグナーが生み出したのが「音楽」というより「オペラ」であり、それ自体が強大な重力を持つ「ものがたり」だったからである。

ヴィオラは奇しくも、総合藝術としてワーグナーを引き合いに出していた。そして「いずれもわれわれの脳みそを走る電子の表象であるなら、音楽と映像の間に(そして絵画や彫刻との間にも)差はない」と語っていた。
「差」の定義は抽象的な段階にあるようだが、ここではもっと卑近なところまで段階を落としましょう。それらが共同するとなれば、「ものがたり」があるためにより理解が容易いほう、より官能を満足させるほうが、受容する側にとってのカンヴァスになってしまうのは仕方がないことだと思うのよね。

カンヴァスなしの公平な受容は僕には難しい。差はないかもしれないが、差はある、ということだ。
僕はあのときワーグナーの官能的なスコアをカンヴァスだと判断したし、今回はヴィオラのぞっとするような美しい映像をカンヴァスとして捉えた(それは、ヴァレーズの音楽をBGM以上のものとは認識できなかったということでもある)。それぞれに逆の感想を持った方が大勢おられると思うし、あるいは、ヴィオラとワーグナー、ヴィオラとヴァレーズを等距離で観察できた方だっておられたはず。

+ + +

その文脈では、フルジャノフスキーの映像とシュニトケの音楽は、どちらかがカンヴァスになるというわけではない、正真正銘の共同だったと思われる。互いに話し合い、改良し合うことのできた幸福な作品だ。
そしてヴィオラ×ヴァレーズは、共同ではなかったかもしれないが、ヴィオラの映像作品として第一級の価値があるというわけだ。それでいいんじゃね?

(追記1)フルジャノフスキー監督からサインを頂くことができた。かわいい↓
c0060659_940367.jpg

(追記2)《グラス・ハーモニカ》とまったく同時期に作曲されたシュニトケのヴァイオリン・ソナタ第2番。BACH主題が執拗に登場している。


by Sonnenfleck | 2011-08-28 09:40 | 演奏会聴き語り

カムイヌプリ43度(後編)

承前(カムイヌプリ43度(前編)カムイヌプリ43度(中編))。

◆8月19日(金)
06:00 起床。前夜の雨も上がり、曇りではあるが一応の登山日和です。
      ・前夜のうちに朝食弁当をもらっておき、身支度だけして出発。

07:30 屈斜路湖畔からぐるりと北に回り込み、西別岳登山口に到着。
      ・同行者(先達)によれば、登山口はよく整備されているとのこと。
      ・山の麓は霧雨で、冷え込んでいる。雨具の上だけ着る。
      ・登山口のテーブルで朝食。登山靴を履き、準備体操。
      ・登山者名簿を見ると、われわれが今日の一番乗りのようだ。
c0060659_22382033.jpg
↑今回の登山ルート。西別岳から摩周岳までの縦走で、往復約15キロの道のり。

08:00 出発!
c0060659_22394366.jpg
c0060659_2240012.jpg
↑こんなふうに、往きの西別岳は完全に霧に閉ざされていた。あたり一面に広がるクマザサが風でサワサワと揺れている。
c0060659_22403359.jpg
↑西別岳への最初の数キロは「がまん坂」と呼ばれる直線的な登り道(普通は九十九折になってジグザグに登るところを、ずどんと道が延びている)
「がまん坂」道標の上にクワガタあり。
c0060659_2241141.jpg
↑「がまん坂」はこの日の全行程中最初にして最大の難関。虚弱な東京住まいは心臓と肺が持たなくて、軽い頭痛を起こしながらの辛い登り。このデジカメは水平センサが付いているんですが、いかに非道な角度かおわかりでしょう。
c0060659_22412687.jpg
↑ガス。
c0060659_22415450.jpg
↑第一~第三お花畑、および「ごくらく平」と表記された空中庭園を通過して、西別岳山頂に到着。ガス。ここでは登頂の達成感よりも、手持ちの水がすでにこの時点で半分になってしまった恐怖が強い(水場なんかあるわけないのだ)。
c0060659_22421779.jpg
↑西別岳山頂で10分ほど休憩し、そのまま尾根伝いに摩周岳方面へ。だんだん植生も変わって、このへんは一面に蕗が広がる光景。コロポックルいるよ。
c0060659_22424890.jpg
↑そのままだらだらとした尾根を歩いていると、前方から熊鈴の音。単独で西別岳に向かう屈強なおじさんハイカーとすれ違う。
このあたりから霧は急速に晴れてゆき、濃い緑が目に入るようになってくる。やがて、摩周湖第一展望台から延びてきた登山道と、摩周岳への分岐点。
c0060659_2243842.jpg
↑分岐点を過ぎ、摩周岳方面に近づくも、だらだらした起伏のない山道が続く。しかし目前に現れた摩周岳火口壁に、テンションは上がり始めるのだ。

しかし。山頂まで0.3キロ、という道標が出てから、そこからが摩周岳の本領発揮であった。クマザサと白樺が生い茂る岩場を、アブにつきまとわれ、ドロドロになりながらよじ登る。考えてみれば遠くから見てあの形をしていて、火口壁の裏側を登るわけなんだから、この角度は当然のことなんだけど。何度も白樺の幹に掴まって、滑落の危機から助けられる。ありがとう白樺。
c0060659_22434356.jpg
↑11:30、ついに摩周岳に登頂。山頂は八畳くらいのガレ場で、一歩足を踏み外すとカルデラに真っ逆さまなのだな。ザックを下ろして、ふうっと息を吐き出す。
c0060659_2244103.jpg
↑カルデラ。丸い。
c0060659_22443389.jpg
↑ひとしきり興奮ののち、昼食にする。山頂には羽アリの巣があり、首筋など噛まれてしまったので、人間はちょっと離れて端っこに座る。同行者(先達)がウィダーを隠し持っていて、僕に呉れる。嬉しい。あんパンも甘い。本当に。
c0060659_22451471.jpg
↑ちょっと晴れてきた。太陽が照ると摩周のブルーが深く輝く。
c0060659_22454015.jpg
↑実は上空には無数のツバメが飛んでいて、アブや羽アリやトンボを食べているようだった。ツバメ返しのひょうっ、ひょうっ、という音のほか、何の音もしない。
c0060659_22461036.jpg
↑再びここに来ることはあるのだろうか。
c0060659_22463519.jpg
↑12:30、名残惜しいがここが折り返し地点なので、下山を始める。
道すがら、美しい彩色の蝶が花にとまっていた。
c0060659_2247044.jpg
↑往きはガスが掛かって見えなかった摩周岳。降りて見返せば山頂が見える。よく登ったものだ。
c0060659_22472681.jpg
↑これもガスが晴れたおかげ。摩周岳と西別岳の中間くらいにある又牛別(マタウシベツ?)岳から振り返ると、天国的な眺望が開けていた。
c0060659_22475185.jpg
↑西別岳に戻ってくると、往きほどではないがやっぱり霧のまま。くだんの「がまん坂」は今度はだらだら下りの「逆がまん坂」となって膝に襲いかかるのであった。。
14:00、無事に西別岳登山口まで帰り着く。山道15キロを6時間だから、素人にしてはなかなかのペースじゃないかと同行者(先達)が言っていた。
c0060659_2248137.jpg
↑装備を解き、しばし達成感に浸る。そのまま養老牛温泉に直行し、この日の宿「ホテル養老牛」にチェックイン。標津川沿いの露天に入って疲れをほぐし、あとは風呂上がりにサッポロクラシックを一気に飲み干す。こんなに美味いビールもない。

+ + +

18:00 夕食。何もかも美味い。地物のじゃがいも焼酎「きよさと」を味わう。
20:30 寝てしまう前に再び露天風呂。
      ・耳を澄ましていると、シマフクロウの豊かなバスが聴こえる。
      ・2年前も聴いている。間違えようがない。
      ・ヴォーヴォウ、ヴォーヴォウ…
      ・夜の森を前に、素っ裸で湯に浸かっていると、独特の感じがする。
      ・それは、世界への所属感と言っていいかもしれない。

おしまい。
by Sonnenfleck | 2011-08-24 22:53 | 日記

カムイヌプリ43度(中編)

承前(カムイヌプリ43度(前編))。

◆8月18日(木)
11:30 知床五湖トレッキングを終えて、昼食を摂るためにウトロへ。
      ・宇登呂なのに、なんでどの看板もカタカナ表記ですか?

12:00 昼食は漁港の中にある「漁協婦人部食堂」。この感じたまらんよね!
c0060659_1333777.jpg
↑漁船に群がるカモメども。
c0060659_13332712.jpg
↑胴回りが太い。
c0060659_1334582.jpg
↑普通の観光客向けの飲食店とはずいぶん離れて存在している。観光客もいるし、地元の若い漁師さんもいた。
c0060659_1334195.jpg
↑お目当ての「鮭イクラ親子丼」。涙が出るほど美味い。イクラがこんなに美味い食べ物だとは思わなかった。しばし無言で噛みしめる。お母さんたちも優しい。

12:30 食後「オロンコ岩」60メートルを登攀。漁港に聳え立つ奇岩である。
c0060659_13344263.jpg
c0060659_1335095.jpg
↑岩のてっぺんでアイヌが戦いを繰り広げたという伝説があるらしい。しかし本州のように神社なんか建ってないのが北海道の好いところよね。

14:00 再び斜里方面に戻り、今度は屈斜路湖方面へ。長いドライブ。
14:15 一昨年に続いてまた硫黄山に来てしまった。楽しいんだもん。
c0060659_13352865.jpg
c0060659_13355256.jpg
↑いまだに謎なのだが、ここはどうして硫黄の噴出口のすぐそばまで立ち入れるんだろう。そしてなぜこんなにマイナーな存在に甘んじているんだろう。僕は写真を撮るために噴出口に近づいた数分で頭痛に襲われましたうひょー楽しぃー

15:00 同行者の提案により、屈斜路湖畔の「砂湯」を偵察。
      ・湖畔のある区域は、砂浜を掘るとじんわりとお湯が染み出す。
      ・ここを砂湯と呼ぶ。そしてお湯は意外に熱い。
      ・水着着用を勧める。
      ・クッシーは死んだか。

15:30 本日の宿、仁伏(にぶし)温泉「屈斜路湖ホテル」へ。
      ・宿は適度に古めかしいが、最強のレイクビュー。
      ・女将さんは西別岳登山小屋の管理もされているとのこと。
      ・ここ仁伏温泉の湯は源泉45℃。掛け流し。湯船は激烈に熱い。
      ・肩まで浸かっていると痺れるような感覚がある(茹で)。

後編へ続く。
by Sonnenfleck | 2011-08-23 13:44 | 日記

カムイヌプリ43度(前編)

ヒグマに囓られずに無事に帰ってきました。道東は予想通り最高気温22度くらいで、すでに長袖の世界。灼熱の東京に帰ってきたときのギャップを楽しもうと思ったら、東京もずいぶん涼しくなったんですのう。

◆8月17日(水)
16:15 羽田発 AIR DO(ANA)77便 女満別行きに搭乗。揺動激烈。
      ・僕は窓の外に彩雲を見た。彩雲は上空では円形であった。
      ・AIR DOの紙コップはいつもかわいい。
18:00 女満別着。今回の同行者(先達)と落ち合い、レンタカーを借りる。
      ・予約車が事故により到着せず、なんとプリウスが用意されておった。
      ・初プリウス。独特の操作感。機械式じゃなくクォーツだな。
      ・あ、悪い意味じゃなくて。

18:30 今夜の宿は網走駅前「ホテル美園」。とにかく安い。そして古い。
19:00 網走に詳しい別の友人から薦められた「蒸汽船」という居酒屋へ。
c0060659_199748.jpg
↑「オホーツク盛り」。すでにしてただ事でない旨さである。枝豆も、ホタテバター焼きも、ホッケも、〆の筋子おにぎりも、悉く美味。地元のお客さんが多いのも納得。。これまでに訪れた北海道の居酒屋の中でもトップクラスのお店でした。

22:30 「ホテル美園」。部屋のお湯が出なくて焦る。やがて出る。寝る。

◆8月18日(木)
06:20 起床。曇り。さみー。
07:00 「ホテル美園」朝食。たいへん美味。民宿だと思えば最強である。
07:30 出発。斜里国道を知床方面へ90キロほど走行。鉛色のオホーツク海。

09:00 やがて国道沿いの斜面に見える「オシンコシンの滝」。
c0060659_1992964.jpg
↑予想もしなかった大きさです。だばだばとそのままオホーツクに注ぐ。知床半島の断崖絶壁ぶりをよく示している。

09:30 ウトロの街を抜けてさらに登ると「知床五湖」ビジターセンターに着く。
      ・現在、五湖への立ち入りは完全予約制です。
      ・10分間のレクチャー番組を見、主にヒグマ対処法を学びます。
      ・われわれが参加した09:50の回は定員40名いっぱい。
      ・それでも歩き始めると十分な静寂が保たれる。いい方式だ。

09:50 五湖トレッキングに出発。
c0060659_1995557.jpg
↑こんな感じで原生林である。ヒグマの住み処にお邪魔する。
c0060659_19101053.jpg
c0060659_19102962.jpg
c0060659_19104791.jpg
↑澱み
c0060659_1911108.jpg
↑茸
c0060659_19112893.jpg
↑門
c0060659_1911531.jpg
↑過去
c0060659_19121214.jpg
↑十字

+ + +
c0060659_19123584.jpg
↑森の奥のエリアを80分ほどで歩ききると、やがて高架木道のエリアに入る。ここはレクチャーを受けずに立ち入ることができる「安全な」区域で、7000Vの電気牧柵によって囲われている。植生がこれまでとまったく異なるのは、開拓民たちが牧草地として切り開いた痕跡とのこと。
c0060659_19134026.jpg
c0060659_1914421.jpg
c0060659_19142665.jpg
↑人間の濃密な気配を感じながら高架木道を歩く。

中編に続く。
by Sonnenfleck | 2011-08-21 19:28 | 日記

華氏140度:20

c0060659_11305622.jpg

摩周岳山頂にいる。凄い眺望。
by Sonnenfleck | 2011-08-19 11:30 | 日記

なつやすみのとも2011

【旅程】
◆17日(水) 羽田空港→女満別空港→網走
◆18日(木) 網走→知床五湖→フレペの滝→オロンコ岩→仁伏温泉
◆19日(金) 仁伏温泉→西別岳→摩周岳→養老牛温泉
◆20日(土) 養老牛温泉→中標津空港→羽田空港

今日から夏休みです。
昨年の熊野詣により、俄に山ボーイと化した私。摩周岳も西別岳も標高はそんなに高くないみたいだが、ヒグマに囓られないように気をつけて登ってきます。また、養老牛温泉は2年ぶり2回目。シマフクロウはまた見られるだろうか。

【旅のお供】
・MILLET ECRINS II 30
・Salomon EXIT PEAK MID 2 GTX ← NEW!
・RICOH CX2

行ってきます!
by Sonnenfleck | 2011-08-17 09:32 | 日記

華氏140度:19

数年ぶりにPS2を出してドラクエ5をやってみたら、以前はただの一度も仲間にならなかったキラーマシンがなんとおきあがりなかまになりたそうにこちらをみていたので、なかまにしてあげた。モンスター使いとして成長しているのかもしれん。
by Sonnenfleck | 2011-08-15 21:42 | 華氏140度

on the air:BBC Proms / Prom 36 - スティーヴ・ライヒとアンサンブル・モデルン

c0060659_10331538.jpg

【2011年8月10日 ロイヤル・アルバートホール】
<スティーヴ・ライヒ75歳を祝して>
●Clapping Music (1972)
●Electric Counterpoint (1987)
●Music for 18 Musicians (1974-76)
→Steve Reich (Perc, Pf)
 Mats Bergström (guitar)
 Synergy Vocals
 Ensemble Modernn
(2011年8月13日/BBC Radio 3)

週末だけ実家に帰省している。北東北はエアコンいらずである。

窓を開け放ち、田圃をわたってくる風に吹かれながら、どの部分がどう、というわけではない音楽を聴きます。アイスコーヒーなど淹れて、グラスの表面についた水滴がやがてたらりと流れる様子を眺めていると、不思議な気持ちになるのであります。
藝術はひとの心を惑わし動かすから藝術なのです。

ロンドンのお客さんも心乱されているらし。
by Sonnenfleck | 2011-08-13 10:59 | on the air

on the air:BBC Proms Chamber Music 2011 - ルセ/レ・タラン・リリクの小フレンチプロ

c0060659_7464981.jpg

【2011年8月1日 ロンドン・カドガンホール】
<BBC Proms Chamber Music 2011:3>
●クープラン:《諸国の人々》~〈ピエモンテ人〉
●リュリ:バレエ《変装したアムールたち》~アルミーダのモノローグ "Ah, Rinaldo, e dove sei?"
●ラモー:コンセールによるクラヴサン曲集第1番
●モンテクレール:カンタータ《ルクレツィアの死》
⇒クリストフ・ルセ/レ・タラン・リリク
 Eugénie Warnier (S)
 Virginie Descharmes (Vn)
 Yuki Koike (Vn)
 Jocelyn Daubigney (Ft)
 Stefanie Troffaes (Ft)
 Isabelle Saaint-Yves (Viola da gamba)
(2011年8月6日/BBC Radio 3)

今年もプロムスをちょろちょろと聴いてる。オケ物が幅をきかせる本体から独立して、プロムスでは室内楽のシリーズもやってるんですよね。

ルセは、チェンバロのソロだと佳く感じることも多いんだけど、こと自分のアンサンブルであるレ・タラン・リリクを操ると、変にエッジが甘くなったり、逆に締め付けすぎて窮屈だったりで、どうにも音楽がぎくしゃくしてしまう。
今や超優秀な古楽の小アンサンブルがたくさん存在する中にあって、ルセにはそういう体験をさせられることが多いものだから、大きな合奏体を仕切る指揮者としてのルセには期待しないことにしてたのです。得意不得意だってあるんだろうし。

でも、この日のプログラムはなかなか好感が持てた。これはきっと、今回のレ・タラン・リリクの編成が、旋律楽器数本+コンティヌオというところまで小さく刈り込まれていたことに起因すると思う。
大きな合奏体で(たとえば)ラモーのオペラをやるのとは違って、ルセは自分の身体の延長線上に各声部を置くことができる。クープランの〈ピエモントワーズ〉など起伏を付けるのが簡単ではない組曲仕立ての音楽を、小粒にきゅっと引き締めて―これは彼のチェンバロソロ演奏のスタイルとよく似てる―、趣味よく並べていた。身の丈に合う(なんて書いたら失礼なのかもしれないけど)規模の作品については、ルセは限りなく上品な演奏を聴かせてくれる。

リュリも素敵だ。しばしば立ち止まってぼんやりするのが売りのクープランと違って、通奏低音にしっかりした推進力が求められる音楽なのだが、あくまでスマートで小粒な響きを維持しつつ、楚々として前に進んでいる。モンテクレールも同様。

さて以上のような特質から、ラモーはルセにとっては鬼門のような気がしてるんだが(オペラ序曲集とか、巨大編成で録音したコンセール集は…な出来なんだよねえ)、今回のコンセール第1番は少なくとも佳い演奏だったと思う。
たぶんこれはルセの好みで…彼らのフレージングの根底に90年代古楽の「ちょっと遠慮がちな自由」をいまだに残しているためなのか、曲調の切なさと相俟って、〈リヴリ〉に押し殺したような官能が滲んでいたのであった。
by Sonnenfleck | 2011-08-12 08:33 | on the air

on the air:NHKスペシャル「幻の霧 摩周湖 神秘の夏」(7/31)

c0060659_20345352.jpg

これ、2008年の8月に初めて摩周湖を訪れたときに携帯で撮った一枚です。このアングルは、観光客だらけの第一展望台ではなく、ややマイナーな第三展望台から。

この日は曇天ながら霧は発生してなかったんだけど、そのかわり猛烈な風が吹きすさび、実はまっすぐ立ってるのもきつい(画面左奥の湖面が波立っているのがおわかりでしょうか)。低い黒雲がこちらに向かってどうどうと流れてくる。

+ + +

表題は、Nスペ自然特集系らしい真面目で清潔なアプローチで、摩周湖と摩周湖の霧について考察する番組でした。語りに向井理(ヒデタダサマー)

摩周湖の霧は大まかに分けて2種類あるそうです。湖面および外輪山から自前で発生させるものと、もうひとつが、釧路沖の太平洋上の海霧が南風に乗って、釧路湿原を通過する「霧の道」沿いに北上してくるもの。前者しか認識してなかったのでびっくり。まさかあんな山奥に海霧が来てるなんて思わないよねえ。

海霧北上タイプは、外輪山を越えて滝のように湖面に流れ込んでくるために地元では「滝霧」と呼ばれている。でもさすがに、海霧の北上はいくつもの条件をクリアしないと発生しないそうで(摩周湖はなにしろ太平洋岸から70キロも内陸にある)、今回も取材班が2ヶ月も待ち続けてようやく撮影に成功してた。威容であった。

+ + +

このブログを以前からご覧いただいている方にはすでにおわかりでしょうが、僕は北海道が、特に道東エリアが大好きなんすよ。
同じ国とは思われないような奇勝奇景に富み、かつて存在した大和ではない文化がその痕跡をわずかに地名に残し、それでいて日本語はばっちり通じて、食い物も実に美味い。こんな場所が身近にあるわれわれは幸福と言わざるを得ないよね。

そんなわけで、今年の夏休みもまた道東に行くことに決めた。
今度は、この写真の正面奥にそびえる摩周岳(カムイヌプリ)に登る。
by Sonnenfleck | 2011-08-10 20:41 | on the air