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西瓜糖だったあの日々

c0060659_89420.jpg毎年この時期になると伝説の「ペプシ アイスキューカンバー」を思い出して感傷に浸るのですが、10年代前半も半ばが過ぎようとしているこの夏、もうちょっとだけ洗練されたウリ系飲料がコンビニの棚に並んでいました。

もともとスイカの味を好まないのにスイカの風情だけは好きなので、まずパッケージのインパクトにまず嬉しくなっちゃう。
それからキャップをぐねりと捻って液体の匂いを嗅ぐと、あの懐かしき「夏はやっぱりスイカバー」と完全に同じスイカの香りが漂ってきて、口に含んでも、喉の奥に落としても、鼻に抜けるのはノスタルジックな少年時代の思い出。そのうち山でヒグラシが鳴き始めて、庭木に水を撒いて、夕ごはんが待っている。。

いつも水っぽい「小岩井純水」シリーズなのに、なぜかここでは夏の夜のスイカ的気分をぎゅっと凝縮した素晴らしい仕上がり。純水シリーズ最高の完成度に達しているのでは。。
by Sonnenfleck | 2013-07-21 08:10 | ジャンクなんて...

梅香幻譚

c0060659_2351846.jpg琴線に触れるものが半年に一度くらいしか出てこないのが残念ですが、このカテゴリはまだ続けてます。

アサヒ飲料から出た「三ツ矢梅」。三ツ矢サイダーブランドの梅風味。…情緒的じゃない説明はこれ以上は難しくて、直球勝負のネーミングにもそれが現れているよね(笑)

で、何が好いかというと、後味がたいへん美しいんだな。
後味が「美味しい」じゃなく「美しい」と書くのはなぜかというと、飲み口を顔に持ってきて最初に梅香がしたあと、口に含んで喉に落とし、最後にふわりと漂ってくるのが翳のあるというか隠微なというか、ともかく昏い後味だからなのである。この後味は、昔、祖母が青梅をホワイトリカーに漬けて保管していた実家の仏間を想起させるほど昏い。北側のひんやりとした部屋だった。
by Sonnenfleck | 2013-03-27 23:06 | ジャンクなんて...

こめのことを、想う。

c0060659_6272356.jpgJTから謎の飲料が出ていたので、買ってみる。
「米づくり|お米の炭酸飲料」は、米粉・米こうじ糖化液という米でんぷんからなる糖を使い、乳酸菌系の香料を加えて炭酸で割った米ソーダなんである。

パッケージはどう見ても清酒にしか見えなくて(稲穂イラストと和風パターンがね…)、買ったはいいが泥酔して帰ってきたときなどは冷蔵庫にあるのを見つけるだけで気持ち悪くなるほどであったが、シラフ状態で開栓してみると、邪気のないカルピスソーダのようですっきりして飲みやすい。人工甘味料で弱った心の隙を突いてくる。

JTのプレスリリースを見ると、この「米づくり」シリーズはなんとこれで4代目ということだ。JTのB級飲料は総じて変なものが多いんだよね(今年はほかに「沖縄黒糖コーラ」というのも出ている)。半官半民の精神で真面目に誠実にマーケティングした結果、微妙な方向に走ってしまうのでしょう。お、おう…という可笑しみ。
by Sonnenfleck | 2012-10-24 06:27 | ジャンクなんて...

【幕間】向ひあふ真夜の西瓜のあかあかと

c0060659_10255235.png同じウリ科ということで、伝説の2007年夏アイスキューカンバーの再来を期待しているとちょっと方向が違うので、感覚が裏切られますよん。

たしかに香りの土台はあのキュウリ味をほのかに想起させてウリ科。きっと同じ配合の香料が用いられておるのだろう。

ところが、真にわれわれが驚くべきはこの後味の薄さ、すっと消えて無くなる風味の妙味じゃないかと思う。小生が幼いころよりスイカをあまり好まないのは(かなり大げさに言えば)この敢え無き味があまりにも去りゆく夏の風情と合致してしまうからなんであるが、ああ、この飲料はスイカの本質をよく写し取っている…。ジャンクのくせに思索的。

ヴェルレーヌみたいな雰囲気を漂わせる揚句は、丹羽真一さんという方の作品(俳句同人誌「琉」(2008年8月・14号)所載)。「西瓜」は秋の季語すなあ。
by Sonnenfleck | 2012-08-04 11:12 | ジャンクなんて...

上陸のオランジーナ

c0060659_238766.jpgうーむ。これはけっこう売れるのでは。B級ドリンクを扱うこのブログにはふさわしくない大物の雰囲気が漂っているぞ。

たぶんこれまでもなんとなく視界の端には捉えていたんだろうが、フランス発祥の有名な飲み物だそうである。オランジーナが売られていない国を探すほうが大変だったのではないかな。日本に入ってこなかったのはC社の陰謀か。

肝心の味は、思いのほかフォルムが真面目で面白い。

バヤリースオレンジを炭酸で割り、ちゃんと柑橘類を絞って落として、少し砂糖を加えてステアするとこんな味になるんじゃないかな。果実繊維(オレンジピール?)の感触が絶妙のバランスで残っているのも新鮮だし、人工甘味料を使っていないっぽいのも好感度大。

カテゴリ的にちょうど重なってしまうファンタオレンジとは完全に一線を画す。あの昔懐かしい、稚気に溢れるジャンク感を好むひとならいざ知らず、正面からぶつかってはファンタに勝ち目はない。青と黄のどことなくバタくさいデザインも洒落ている。これから初夏に向けてはヘビロテだなっと。
by Sonnenfleck | 2012-04-12 23:17 | ジャンクなんて...

ケコカケコケコケコケコーラ

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クラシカルなデザインの瓶コーラを見つけて、ふらっと買ってしまった。コカコーラ125周年記念ボトルとのことで、昨年から発売されていたようです。

このブログでときどき話題にして楽しんでいたB級ドリンクの発売は、この一年ほどでほんとうにすっかり減ってしまった。あるいは、僕の普段の行動範囲であるオフィス街―住宅街のコンビニからは見当たらなくなってしまった(学生街とか歓楽街は違うかもしれん)
小さな遊び心を忘れてはいけない。どんなときでも。

+ + +

瓶コーラは(もちろん中身はペットボトルやアルミ缶と一緒だけれど)、その飲み口の艶めかしい感触によって、きわめて異例の存在感を有する。瓶の飲み口はひんやりと硬いようでいて、滑らかで柔らかくもある。

それぞれの嗜好品に第一義的官能以外の要素をプラスする手法は、もっと大々的にマーケティングされてもいいと思う。たとえば香水メーカーとコラボして「いい匂いのする」セヴラックのリサイタルなど面白くないですか。シリーズ化して毎回プログラムに凝って、いろんな匂いを試したりしてね。

そのようなコラボが偽物に見えるのは、どちらかが本気ではないときだろう。話を少し戻せば、コカコーラ社と瓶メーカーはたぶんどちらも本気だ。
by Sonnenfleck | 2012-03-28 23:01 | ジャンクなんて...

思い出A級。

c0060659_2162185.jpgその覆刻の報せを受けてより、ずっと楽しみに待っていた。懐かしい「はちみつレモン」。

10月7日の東響定期に向かう際、溜池山王駅構内のローソンで見つけ、あんまり嬉しくなって急いで買う。サントリーホールに着いてから、ホールの廊下の椅子に座って飲んでみると、ああ。昔とおんなじ砂糖とはちみつの優しい味がする。ほんとによかった。思い出を壊さないでいてくれたサントリーに大きなありがとう。

パッケージを見てるだけで、子どものころを思い出すんだよね。
ごくそっけない描線のみつばちとか、その軌跡の曲線とか。本当にあのころのままでね。昔どおりのアルミ缶だったら最強だったが、こればっかりは時代の流れだろう。それにしても…はちみつレモンを前にして自分の子ども時代を思い出しながらでは、ひねくれたことのひとつも書けない。
by Sonnenfleck | 2011-10-20 21:08 | ジャンクなんて...

ソルティ・ライチ/夏風の中で

c0060659_20533954.jpg2008年の夏に一世を風靡した伝説の名作「マセドニアグレープ」と肩を並べる逸品が、今夏、ついに誕生。

種々の果実が煮込まれて濃厚でポリフォニックな味わいが五官を刺激した「マセドニアグレープ」に対し、「ソルティ・ライチ」はライチの芳醇な薫りが一本の太い綱としてボトルを貫いており、かすかなスパイスとグレープフルーツの後味がそれを伴奏しつつ、塩気が最後の調性を決定づける。諸君、これはホモフォニーである。

口に含んでからのどに落とし込むまで、砂糖の味が力強く存在し続けるも好い。カロリーオフを謳う人工甘味料のくだらない甘さはもううんざりなんだよ。僕のウヰルキンソン・ジンジャエールを人工甘味料で汚した罪は重いのだぞよ。いい加減そこらへんに気がつかないのかね>飲料各社。

+ + +

正午の夏空の下、ウェーベルンの《夏風の中で》(←音楽のスタンスとしては「マセドニア」に近いが)など聴きながら「ソルティ・ライチ」を口にすれば、夏の佳きものに囲まれるような心地がする。演奏はベルティーニ/ケルン放送響(EMI)で。
by Sonnenfleck | 2011-07-13 20:59 | ジャンクなんて...

Tonika [独]

c0060659_223121.jpgもともと冬から春は、ジャンク飲料の枯れ時。
そんな折、大震災が発生する。ジャンク飲料が棚を占有するのってどうなのよという無言の圧力を店長諸氏が感じたのかどうか、近隣のコンビニから水とお茶、少数のスポーツドリンク以外の飲み物が消えてしまった。

それでも夏はやってくる。すでにして今日も暑かった。夏はB級ドリンクの季節なのである。ジャンク枯れを破ってこのたび大塚食品が(大塚食品が!)発売した「tonika」は、桃の香りのトニックウォーターで、これがまあ手加減なく苦いのです。「苦味料」ってはじめて見たよ。

内容量が290ml、パッケージデザインも華やかすぎて、いかにもC級ドリンクっぽい(ファンタとか飲むプリンとかそういうやつね)のは、マーケティング的にほんとどーなのよ。こんな苦いの、おっさん層しかリピートしないよ?
尚、おっさん化しつつある僕はリピートするでしょう。

微炭酸シュワ音。
by Sonnenfleck | 2011-05-10 22:07 | ジャンクなんて...

甘皮に火もほのめけや焼林ご

c0060659_212148100.jpg芥川竜之介の俳句集を捲っていて、こういう句を見つけた。ヴィヴィッドにイメージが広がるね。

KIRIN「世界のキッチンから」シリーズ、秋の新作。
元来、林檎ってのはそんなに甘くなくて、後味を引かない果物であるけれども、「アップルモーア」のツンと澄ました味わいには非常に心惹かれた。
舌触りは滑らかで、かすかに甘いミルクの香りをさせながら、口に含むと確かに加熱した林檎の味わいがある。そして何事もなかったかのように味も香りも消える。これいいなあ。「とろ桃フルーニュ」よりなお好き、伝説の名作「マセドニアグレープ」にもじわりと迫るキャラ立ち。

最近流行りの「人工甘味料ドバドバ=カロリーゼロ」を謳う、不味すぎる、ジャンクドリンクとすら呼べないような駄液体が立ち並ぶコンビニの保冷棚のなかに、「アップルモーア」の細身の姿を発見したら、買い逃してはいけません。
by Sonnenfleck | 2010-09-14 21:23 | ジャンクなんて...