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on the air:アンドルー・マンゼのすべらないウェーベルン

c0060659_671198.jpg【2008年10月23日 Fra Store Studio】
●ヘンデル/モーツァルト:《アチスとガラテア》
●モーツァルト:《アダージョとフーガ》ハ短調 K546
■ウェーベルンの交響曲に関するレクチャー
→アンドルー・マンゼ(話)
●ウェーベルン:交響曲 op.21
●アイブラー:交響曲ハ長調 HV158
⇒アンドルー・マンゼ/ノルウェー放送管弦楽団
(2008年11月10日/NRK Klassisk)

オケのサイトを調べたら、シーズンプログラム発表時のもともとのプログラムは「シュメルツァーのセレナータ→モーツァルトK546→ウェーベルン」でした。
マンゼは本当にウェーベルンの交響曲を提示したかったようです。

で、マンゼのレクチャーが面白い。
最初、オケに全音階と半音階を弾かせます。そのあとウェーベルンが交響曲で使った音列を提示(マンゼは「優しく穏やかで、湖の上の白鳥のようだ」と大絶賛←お客さんは引く)。しかしその音列を、今度はオケのリードで会場のお客さんたちに歌わせるんですね。これはいい。歌ってみるって大事だ。
マンゼも可笑しいのか、時折フヒヒっという声を上げてます。お客さんもすっかり乗せられてしまって楽しそう(女性の笑い声が多いのが、クラヲタ男子+おっさんおばさんの多い日本とは違うなあ)。マンゼ先生、最後に音色へセリー要素を付け足した音列をもう一度ぱらぱらぱらっと弾かせて、さあこれで迷わない。聴いててホントに迷わないから不思議。
実際、面白いくらい分離のいい演奏で、これは聴衆だけでなくオケの側にも著しい効果をもたらしていたんじゃないかな。

+ + +

こうなると、それ以外はサイドメニューになっちゃうかもしれません。
モーツァルト編曲版のヘンデル、そしてモーツァルトの古っぽい一面を聴くことができるハ短調の《アダージョとフーガ》をコースの中に取り入れたのはなかなか巧いなあとは思います。ノルウェー放送管はモーレツに上手なオケではなくて、日本国公共放送のオケのように音色も音程もやや微妙だったりしますが、けっして悪くはない。
しかしマンゼの指揮はエロイカのときと同じように意外なほど穏健で、アーティキュレーションへのこだわりも弱く、結果としてとてもフツーの演奏が出来上がっています。

アイブラーという作曲家は寡聞にして知らなかったけれども、モーツァルトの友人だったらしい。作品は面白いことにベートーヴェンを(具体的にはエロイカを)思わせるギガンティックな趣味です。これはマンゼが大トリに持ってきただけあってモーツァルトにはないものを認めているのかもなあ。意図的にそういうふうに彫塑したのか。
by Sonnenfleck | 2008-11-14 06:09 | on the air
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