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WHO INSIDE

c0060659_620369.jpg【TELDEC/8573-81040-2】
●シュミット:《七つの封印を有する書》
→クルト・シュトライト(T/ヨハネ)
  ドロテア・レシュマン(S)、マリアナ・リポヴシェク(CA)
  ヘルベルト・リッペルト(T)、フランツ・ハヴラタ(Bs/主の声)
→ウィーン楽友協会合唱団
⇒ニコラウス・アーノンクール/
  ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

このオラトリオはフランツ・シュミットの決定的代表作とされるけど、その生演奏に立ち会う機会は絶無だし、録音だってあんまり多くない。ドイツ語版のヨハネの黙示録を長々とテクストに用いている点、鵺のようなその曲調、さらに独唱合唱オルガン大管弦楽を要するとくれば、その取り上げられにくさは推して知るべしというものです。

ところが、これが新日フィルの7月定期で取り上げられる。2006年の《火刑台上のジャンヌ・ダルク》を思い出すでもなく、さらにハーディングにポストを用意した件を話題に出すまでもなく、このオケの果敢さには本当に頭が下がります。
予習せなと思いアーノンクールの録音をiPodに取り込んで数ヵ月。週に数度は通勤時間に聴いていますが、わけがわからない、まではいかないものの、聴いていて甚だ全貌が掴みにくい作品であります。韻文的というより散文的で、強く自信を深めたシューマンのようでもあり、改心したマーラーのようでもあり、奥ゆかしいオネゲルのようでもある。でも「ここが獅子であそこが蛇で」という分解型の聴取は合わない作品なのかもしれないな。

アーノンクールの録音は2000年ですからコンディションは最新のはずなのですが、響きのマチエールからどこか蒼古とした冷たい重々しさを感じさすのが面白いところですよね。重力が並みの音場より強いために、打ち上げられた音符もすぐに地上に落下してしまうと。アーノンクールの振ったロマン派以降の作品はおしなべてそんな感じがしますが、こういう響きでマーラーの第8番なんかやったらすこぶる素敵だろうと妄想します(ガーシュウィンを追って新大陸に行ってしまった御大を呼び戻すのは…もう無理かもしれませんが)。
これ廃盤になってるんだな。惜しいことだ。

アルミンク/新日フィルのライヴに、いきなりこのレベルを期待するべきじゃないとは思う。
まずは作品の空気に生で触れさせてくれることに対して心からの称賛を加えつつ、その上で(前述の内容とは矛盾するけど)鵺の一部分でもいいから強烈に光るものを聴かせてくれたらなと。ちなみに本公演のヨハネ役は、このアーノンクール盤でテノールを担当しているヘルベルト・リッペルトですね。今週末、期待してますよ!

+ + +

★オットーボイレンで、マンフレート・ホーネック/バイエルン放送響による同曲のライヴを体験されたHIDAMARIさんのレポ。

響話§『七つの封印を有する書』体験[Ⅰ]
響話§『七つの封印を有する書』体験[Ⅱ]
響話§『七つの封印を有する書』体験[Ⅲ]
響話§『七つの封印を有する書』体験[Ⅳ]
by Sonnenfleck | 2009-07-07 06:21 | パンケーキ(20)
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