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編曲者の顔

昨日の皆既日蝕ですが、東京の最大時間である1112頃、思い返せばその後に比べるとなんとなく暗かったかなあ…という感じで。次は2035年ですか。

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c0060659_6482966.jpg【DGG/435 386-2】
<ショスタコーヴィチ/バルシャイ>
●弦楽と木管楽器のための交響曲 op.73a
●室内交響曲 op.83
⇒ルドルフ・バルシャイ/ヨーロッパ室内管弦楽団

コレッリの作品5(Vnと通奏低音のためのソナタ集)をジェミニアーニがコンチェルト・グロッソに編曲したバージョンがあって、マンゼがAAMを振って録音したものを聴いています。しかし全然しっくりきません。マンゼの鋭角的なリズムの取り方は彼のソロであれば功を奏す場合が多いけど、アンサンブルにそれを適用しようとすると鋭角的というより硬直的になってしまうんだよなあ。同じiPodにエンリコ・ガッティの不滅の録音が入っているので、余計にマンゼの分が悪い。

ただ、これはマンゼのせいとばかりも言えない気がしていて、ジェミニアーニの編曲が原曲のシンプルな味わいを生かしていないんじゃないかとも思うのです。もとのソロVnの旋律を1stVコンチェルティーノに弾かせる一方、対旋律をいくつか増やして他のコンチェルティーノに割り振った結果、主旋律としては多勢に無勢となって、響きが装飾的要素に埋め尽くされてしまっている。リズム硬直+響きモヤモヤ、ではちょっとね。。

そんな文脈において。使える楽器が圧倒的に多いし、そもそもソロソナタと弦楽四重奏曲を比べるのもどうかとは思いますが、それにしてもバルシャイの巧妙な編曲技術には舌を巻いてしまいます。
縦横比が保持されて巨大な弦楽四重奏曲に聴こえる場面もあれば、、協奏曲のようにも変化するし(op.73aの第5楽章はVc協奏曲のようです)、時としてまったく新しい交響曲の一場面に聴こえるところもある(op.83aの圧倒的拡がりには聴き惚れるばかり)。それでいて譜面に自分の個性を焼き付けようというような臭みは微塵もなくて、ただ偉大な作曲家のスタイルを誠実に踏襲し模倣しているだけなのだから凄い。

バルシャイがDGGに録音しているショスタコーヴィチのカルテット編曲は、ヨーロッパ室内管メンバーの超絶技巧を聴くのにも最適でありましょう。1989年と1991年の録音ですから、名フィルのフィッシャー親方もきっとFlとして参加しているはず。
それから、マレーヴィチ!
by Sonnenfleck | 2009-07-23 06:48 | パンケーキ(20)
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