人気ブログランキング | 話題のタグを見る

僕らはゼリーのためのスプーンを知っている

僕らはゼリーのためのスプーンを知っている_c0060659_9411424.jpg【PONY CANYON/PCCL00554】
●チャイコフスキー:交響曲第4番へ短調 op.36
⇒エフゲニー・スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立交響楽団
(1990年5月24日 サントリーホールでのライヴ)

エンドレスな梅雨の後におずおずとやってきた夏。それでも6月7月に比べたら気温は格段に上昇していて、毎朝暑いですな。名古屋の夏は物理的に激烈ですが、一方で東京都心の夏は独特の閉塞感があって不思議であります。一日の気温の変化に乏しく、夜半になっても気温が下がらないからだと思うんだけど、昼も夜もなく熱いゼリーに閉じ込められているみたいな感じなのよね(ただ、今年はゼリー感が少ない)。

その盛夏目前に、あえてスヴェトラーノフ/USSR響のチャイ4を聴くのもオツなものでしょう。こういうのが日本人の季節感に案外訴える。
温熱ゼリーに突き刺さる鋼鉄のスプーン、それ自体が赤熱しているので、削られるゼリーの側も蒸発寸前です。<運命>のモチーフは禍々しさを失って快楽的な対象になっているし、<共産党員>テーマも決然として疾走します。スヴェトラは粘りの大虎と誤解されがちですが、僕の少ないスヴェトラ体験を思い返してみてもそんなことはない(ショスタコーヴィチの第10はそうだし、このチャイ4ライヴなんもいい例かと思う)。ある種の日本人オケのほうがずっと粘着質な音楽を展開するケースもあります。
ああ。文章も溶解しているなあ。
突破しきれないムードを抱え込んだとき、あるいは目覚ましに立ち向かう朝に。
by Sonnenfleck | 2009-08-07 09:44 | パンケーキ(19) | Comments(0)
<< リャド←[マヨ]→リテレス 平和な冷感 >>