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スクロヴァ爺さん、跳ぶ

c0060659_0112713.jpgスクロヴァチェフスキは録音にあまり恵まれません。一応古くはMercuryにショスタコ5番やグレート、今はなきCarlton Classicsにブラームス全集やショスタコ10番などを残していますし、近年はarte nova、そしてOEHMSという二つのレーベルを股にかけてブルックナー全集やバルトークのオケコン、それに幻想交響曲を録音していますが、ファンとしては物足りない。その渇きをちょっとだけ癒してくれるのが、AltusのN響ライヴシリーズです。

このCDに収録されているのは、99年N響客演時のベートーヴェン5番。この演奏は「ロマン」の対立項としての「モダン」を完璧に体現していると思います。
快速で提示される冒頭主題、引き締まった響き、明快なアインザッツ、軽快に飛び跳ねるようなアーティキュレーション。寄せては帰す波のように操作されるデュナーミク。曖昧なところなんてこれっぽっちもないんです。曲の背景だとか、作曲当時の演奏習慣だとか、そんなものは一顧だにしません。ミスターSが完全に外側から即物的に料理するだけ。金管群がややもたれ気味なのが玉に瑕ですが、N響も燃えてます。N響はだいたい過小評価されすぎだと思うんですよ。確かにルーティンワークに陥ることがないとは言えない。でも本気になったこのオケは時に輝くような音を出します。わけても第3楽章のフガートは見事!の一言に尽きる。低弦→Va→2ndVn→1stVnという受け渡しの巧みさにゾッとします。04年客演時のフガートはさらにこの上を行く精妙さでした。サントリーホールの椅子の上で昇天。
by Sonnenfleck | 2005-04-20 00:18 | パンケーキ(19)
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