人気ブログランキング | 話題のタグを見る

on the air:ル・ポエム・アルモニークのテ・デウム祭り(ビゼーもあるよ)

on the air:ル・ポエム・アルモニークのテ・デウム祭り(ビゼーもあるよ)_c0060659_21544071.gif【2011年6月7日 サン=ドニ大聖堂】
●シャルパンティエ:テ・デウム ニ長調 H146
●リュリ:テ・デウム
→Amel Brahim Djelloul, Soprano
 Claire Lefilliâtre, Soprano
 Jean-François Lombard, Haute-contre
 Mathias Vidal, Ténor
 Geoffroy Buffière, Basse
→ジェフロイ・ジョルダン/ル・クリ・ド・パリ
⇒ヴァンサン・デュメストル/ル・ポエム・アルモニーク
(2011年6月25日/France Musique)

ここでのシャルパンティエは梅雨の晴れ間の土曜の朝にぴったりである。

緻密なイネガルを駆使した手弱女ぶりの造形も素敵だが、このように強く気高く、益荒男ぶりなシャルパンティエも好いよね。
デュメストルはところどころ爽やかな装飾を入れたりしているが、基本的には楽譜の持つエネルギーだけで安定的な自動運転に入っている。太鼓は元気印、トラヴェルソの重奏も模糊とせず、通奏低音の弾むアーティキュレーションは飛鳥の仏像のように、優美な衣の下のしなやかな筋肉を感じさす。

いっぽう、リュリはもっとごつい。今度は急に時代が下って(本当は逆だけども)、国芳の武者絵みたいにデフォルメされた漫画風の筋肉を思い浮かべる。リュリに荘重さを感じることはあってもごつさを感じることって普段はあんまりないので、シャルパンティエと並べて聴くと面白いすね。

+ + +

で、上記ライヴのあとの余った時間で放送されたビゼーのテ・デウム(NAXOS 8.572270)が、僕にとっては非常に衝撃的であった。
この曲、ローマ賞を獲ったあたりで作曲されたらしいんだけど、音楽が完璧に社会主義リアリズムをやってる。この単純な拍子にпартияの叡智が、無国籍な叙情的メロディにпионерの安らぎが載っけられてたりしても全然おかしくない。何か、、を讃える方式がたかが数十年で変化するわけがないということの良い例でした。
by Sonnenfleck | 2011-06-27 21:58 | on the air | Comments(2)
Commented by 雪如雨露 at 2011-06-29 21:04 x
ル・ポエム・アルモニークに、モンテヴェルディのヴェスプロやオルフェオをやって欲しいなぁ、と思う今日この頃。彼らの手にかかると、ラモーもどんな風になるのか気になるところです。
Commented by Sonnenfleck at 2011-06-30 21:46
>雪如雨露さん
実は、あんまり聴いたことがなかったんです。ル・ポエム・アルモニーク。いいですね。素直で率直で、飾らない感情を感じます。彼らの演奏なら、私もモンテヴェルディ不感症とおさらばできそうな気がしますが。。
<< 精神と時のお買い物XXVII 華氏140度:15 >>