on the air 番外編:この美しいリアルに、ベネズエラのラモー。

c0060659_2219394.jpg【2011年4月14日 カラカス、シモン・ボリバル・ホール】
<たぶんオール・ラモーのプログラム、順不同>
●《優雅なインドの国々》~シャコンヌ
●《優雅なインドの国々》~未開人の踊り
●《ゾロアストル》~地獄の神々のエール
●《ゾロアストル》~ルールとパスピエ
●《ゾロアストル》~メヌエットとコントルダンス
●《ダルダニュス》~序曲と戦士のアントレ
●《カストールとポリュックス》~闘技者のエール
●《カストールとポリュックス》~第1幕のエール、第2幕のエール
●《ダルダニュス》~タンブーラン
●《カストールとポリュックス》~〈悲しい身支度を〉への導入
●《カストールとポリュックス》~シャコンヌ
●《アカントとセフィーズ》~序曲
⇒ブルーノ・プロコピオ/シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ
(YouTube/BPROC1さんのチャンネルから)

うおお。
シモン・ボリバル・ユース・オーケストラとジャン・フィリップ・ラモー、出会ってはいけないもの同士が化学反応を起こし、禁断の魅力を朦々と放っている。

指揮はグスターボ・ドゥダメル、ではなくて、ブラジル人チェンバリストのブルーノ・プロコピオ(この人も1976年生まれなので若い)。パリに渡ってから最初はノエル・スピートのクラスで勉強を始め、ルセ、アンタイ、ランヌー姐さんにケネス・ワイスといった錚々たる面々に学んだ逸材である由。
YouTubeに本人のチャンネルを発見し、4月14日の演奏会を視聴した。

+ + +

通奏低音系の古楽指揮者だから当然、アンサンブルは正攻法の組み立てを目指している。よく聴いていると、当然ながらチェンバロとチェロ、コントラバスに主導権を渡そうと試みているのがわかるんだが、…それはそれ。

何しろ、SBYOVのヴァイオリン隊のアピール力が実に強大なのだ。ために、響きのセンターがぐうううっっと高音楽器に引き寄せられてるということ。
ピッチがぎらぎらと高いのもあれだし、だいいち土台は正攻法なのに外装のテンションが高すぎるというのが、冷帯や温帯の古楽アンサンブルでは体験したことのない類の興奮。爛熟のフランス系アンサンブルで聴く陰翳ラモーも好いが、リア充なラモーも同じくらい好い。わくわくするよぅ。


↑《優雅なインドの国々》からシャコンヌ。

あきらかに「弾き慣れてない」舞曲ではアンサンブルに雑駁なところも散見されるが(コントルダンス、タンブーランなどは怪しい)、それらも気にせず、勢いをつけて描く太い筆の輪郭線でヤッと収めてしまう。
いま世界的に流行っている懶惰と精妙のラモーが廃れたら、次はこういう「こまけぇこたぁいいんだよ」が主流になるのかもしれない。
by Sonnenfleck | 2011-11-02 22:35 | on the air
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