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猛毒レハールでノスタルジック退行

何度か書いているが、この数年、明るく美しくちょっと哀しい旋律に奇妙に惹かれる。ヨハン・シュトラウスやレハール、コルンゴルト、ワイルにコール・ポーターまで、昔は大して興味がなかった作曲家たちに心を揺すぶられてたまらない。

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c0060659_22441774.jpg【DGG/00289 479 0050】
<LIVE AUS DER SEMPEROPER - The Lehár Gala from Dresden>
●《ジュディッタ》~ワルツ
●《ジュディッタ》第1幕~〈Freunde, das Leben ist lebenswert〉
●《パガニーニ》第2幕~〈Liebe, du Himmel auf Erden〉
●《ルクセンブルク伯爵》~間奏曲
●《フリーデリケ》第1幕~〈Die Mädels sind nur zum Küssen da〉
●《微笑みの国》第2幕~〈Wer hat die Liebe uns ins Herz gesenkt〉
●《野ばら》
●《パガニーニ》第3幕~〈Wer will heut Nacht mein Liebster sein〉
●《パガニーニ》第2幕~〈Gern hab' ich die Frau'n geküsst〉
●《パガニーニ》第2幕~〈Niemand liebt Dich so wie ich〉
●《理想の夫》序曲
●《エヴァ》第1幕~〈Wär es auch nichts als ein Augenblick〉
●《ロシアの皇太子》第3幕~〈Warum hat jeder Frühling, ach nur einen Mai〉
●《ジプシーの恋》第2幕~〈Zigeuner-Marsch: Endlich, Jószi, bist du hier〉
●《ジプシーの祭り》~バレエのシーン
●《微笑みの国》第2幕~〈Dein ist mein ganzes Herz〉
●《この世は美しい》第3幕~〈Ich bin verliebt〉
●ヨハン・シュトラウス:《10人のポルカ》op.121
●オスカー・シュトラウス:《Eine Frau, die weiss was sie will》~
  〈Warum soll eine Frau kein Verhältnis haben?〉

→アンゲラ・デノケ(S)、アナ・マリア・ラビン(S)
 ピョートル・ベチャーラ(ベチャラ)(T)
→ドレスデン国立歌劇場合唱団
→クリスティアン・ティーレマン/ドレスデン国立歌劇場管弦楽団

このCDはタワレコで視聴して、一発で購入を決めた一枚である。

それにしても、このブログにティーレマンが登場するとはね!!
ティーレマンはセルフブランディングが本当に巧い。最近彼がVPOを振って出したベートーヴェンなどは、店頭で掛かっているのを聴いて「オエーッ」って感じであるが(お好きな人、ごめんなさいね)、かつてのバレンボイム以上の上手な手腕で、ますます保守層を味方に付けていく。

ティーレマンの大時代的で粘度の高い音楽づくり、混濁を気にしない強烈な主旋律重視、メロディ原理主義は、レハールを当然のように燦然と輝かせる。シュターツカペレ・ドレスデンを豊満に、また傲然と鳴らして素敵だ。Ah, Heil Christian!!

…はっ。毒にやられてる。

でも、そのような叫びが身体から湧き上がってきてしまうのだ。
ティーレマンが振りまく毒エロの頂点は、トラック6《微笑みの国》からの二重唱、そして続く《野ばら》かなと思う。ベチャーラとデノケのデュオは金襴緞子の趣き。甘みのある液体がぽた、ぽた、と滴り落ちるような、何とも言い表せないエロい音楽をさんざん聴かされてはこらえきれません。このようにしてあたしもティーレマンを翼賛することができて光栄でございます。

ことほど左様にレハールも佳いんだけど、最後の、たぶんアンコールで取り上げられたオスカー・シュトラウスも物凄いです。とても2011年の今とは思えない。1930年代のウィーンはこのような猛毒に満ちていたのであろう。
by Sonnenfleck | 2012-02-01 22:46 | パンケーキ(20)
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