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on the air:ブレンデルの「最後の」《皇帝》

ラジオネタつづきでごめんなさい。バルトークラジオ5月8日の放送から。

c0060659_2183790.jpg【2004年8月17日 ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール】
●ベートーヴェン:Pf協奏曲第5番変ホ長調 op. 73 《皇帝》
 →アルフレッド・ブレンデル(Pf)
→クリストフ・フォン・ドホナーニ/フィルハーモニア管弦楽団

ヨーロッパのほとんどのラジオ局では、深夜枠に「Euroclassic Notturno」という共通した番組を流しています。この演奏会もその中で放送されたもの。昨年のプロムスのライヴです。ところが、、バルトークラジオと同じく「Euroclassic Notturno」を放送しているBBCの番組表に衝撃的な文字が。

02:00AM Another concert from the 2004 BBC Proms, given by the Philharmonia Orchestra under Christoph von Dohnanyi recorded in the Royal Albert Hall, London on 17 August. This was pianist Alfred Brendel's final live radio performance .

え?ファイナル?ブレンデルっていつ引退したの??
大いにビックリし、あわててGoogle検索をかけたら真相が出てきました。2004年8月20日付けのGuardianの記事によると、この演奏会を最後にブレンデルは「プロムスでの演奏活動から」引退することにしたらしいのです。別にピアニストとしての引退を決めたわけじゃないのですね。

《皇帝》。第3楽章の最後の数小節があまりにもすばらしかった。最後の和音を派手に決める直前のあの静かな美しい場面です。ドホナーニもブレンデルも決して極端な表情づけをする人ではないので、それまでは一貫して、中庸な表現(退屈とか弛緩とはほど遠い「充実」だと思いました。この二人は無闇矢鱈と貶されすぎる)が保たれていました。ところがこの箇所に差しかかって、突然ギクリとさせるような急激な減速が。ひたすら柔らかく叩かれるティンパニ、しっとりとした弦楽、そして満ち足りたように爪弾かれるピアノ…。「引退」云々の先入観を抜きにしても、ここが抜群に美しかったことは書いておかにゃあならんと。

四年前の来日公演で聴いた《ディアベッリ》は絶品だった。ブレンデル、また日本に来てくれないかな。
by Sonnenfleck | 2005-05-13 22:10 | on the air
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