【2012年10月16日(火) 19:00~ サントリーホール】
●ラフマニノフ:《ヴォカリーズ》
●同:Pf協奏曲第3番ニ短調 op.30
○スクリャービン:左手のための夜想曲 op.9-2
→小山実稚恵(Pf)
●リムスキー=コルサコフ:交響組曲《シェヘラザード》
○チャイコフスキー:《くるみ割り人形》から〈アラビアの踊り〉
○同:《白鳥の湖》から〈4羽の白鳥の踊り〉
⇒ウラディーミル・フェドセーエフ/
チャイコフスキー交響楽団
フェドセーエフウィークの第二夜。
この夜はもともと行くつもりがなかったし、行けるとも思ってなかったのです。ラフマの3番はあまり得意じゃないし。でもこの日、仕事がトントンと片づいた僕は、ふと気がつくとサントリーの当日券売り場に向かって駈けていました。1曲目を犠牲にしてぎりぎりセーフ。シェヘラザード、聴きたかったんだもの!
入場してびっくり。席が9割方埋まっている。前日の4割と大違い。。
ラフマニノフの協奏曲は
(おなかも空いていたので)リーマン大好き肉豆腐のことを考えながら聴いた。この曲の素材は、まず巨大な木綿豆腐としての独奏ピアノがでん!と存在感を示さなければいけない。それからほろほろに煮崩れて形状を失った各種モツ、たっぷりの青ネギと、たっぷりの七味。
むろん「最近ラフマニノフがなんとなくわかってきた」ような段階では、この煮込み風協奏曲の演奏の出来なんか云々できっこないのだが、前日のチャイコフスキーを知っている身からすれば、フェドセーエフ側に若干以上の遠慮があったような気がしてならなかった。モツが少なめ、ネギはあまり香りがせず、七味は切れている。お豆腐の存在感が弥増すばかりなり。
+ + +
酒肴のことなんか考えていたのが悪かったのか休憩時間には腹ぺこに。
「ビールは飲むパンである!」と修道士のような決意を固めてプレモルを頼んでしまったのが運の尽き、後半のシェヘラザードはひたすら気持ちいい音響に身を任せることになってしまったのだが、やはり、巨大で破壊的な音響が来るとの予想はきれいに裏切られ、より叙情的な円っこい音響が支配的であった
(のは覚えている)。
アルコールを入れて臨む音楽会は、聴いている最中は聴神経が研ぎ澄まされているように感じるのだが、結局そんなに内容を覚えていなかったりする。毎度のことながら反省しきり。船は黄金の泡の海で難破。終局。