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ラモーがなくちゃ、始まらない。

ラモーがなくちゃ、始まらない。_c0060659_2123498.jpgフランス・バロック。リュリよりもマレよりもクープランよりも、ダングルベールよりもシャルパンティエよりもオトテールよりも、僕はラモーに心惹かれます。彼の作品はいま挙げたどの作曲家にもない力強さを備えているし、隈取りが濃い。内部に沈降するんじゃなく、エネルギーを外へカッと放射するというか…。ブルボン宮廷の伝統からすると異端だったのかもしれないけれど、爛熟が最後に選び取ったのがラモーの音楽だったという事実が、またちょっと面白いのです。

さてそのなかで一番のお気に入りは、なんといっても《コンセールによるクラヴサン曲集》(1741) ですね。「クラヴサンだけ」あるいは「クラヴサン+Fl+Vn+VGam」という編成が指定されたこの曲集は、ラモーが成したクラヴサン曲(室内楽曲)のなかでも随一の美しさを放ち、後期バロックの金字塔といっても言いすぎではない魅力を持っております(これって大袈裟な言いじゃないですよ!)。
演奏はそのときどきで好みの傾向が変わるのですが、いまは女流チェンバリストブランディ−ヌ・ランヌーを中心とするアンサンブルによるCDが第一のオススメです。大胆な拍子の崩し方、遊び心満点のアーティキュレーション、軽妙ながらちょっと切ない歌い口など、これ以上ないセンスのよさを感じさせます。上にアップした写真はランヌーによるクラヴサン作品全集のジャケですが、少し前タワーレコードでこの曲集だけが一枚物として分売されていたのを見かけました。そんなに高くなかったので、見かけた方はぜひ◎
精進料理のごとく禁欲的な有田千代子盤(ほんのところどころメカニックが弱いのが玉に瑕)。トリオ・ソネリー盤は、才気煥発なランヌーたちの演奏がうるさく感じるとき手に取ります。
by Sonnenfleck | 2005-07-22 22:17 | パンケーキ(18) | Comments(4)
Commented by tetsuwanco at 2005-07-23 05:47
申し訳ありません。TBをだぶってしまいましたので、片方を消去いただきたく存じます。
Commented by Sonnenfleck at 2005-07-23 11:49
>tetsuwancoさん
TBありがとうございます◎片方消しておきました。
Commented by romani at 2005-07-23 22:58 x
こんばんは。
Sonnenfleckさんはフランスバロックがお好きなんですね。
私はクラシックギターを始めた頃に、ラモーのメヌエットが好きでよく練習していました。ラモーは、素朴だけど情感があって良いですよね。
「コンセール用クラブサン曲集」、私も好きでよく聴きますが、ルセ・寺神戸亮・上村かおりのトリオのHM盤が愛聴盤です。
Commented by Sonnenfleck at 2005-07-24 00:28
>romaniさん
フランスバロックの通奏低音は、チェロでは音域的に厳しいものが多く(必要とされる技巧も、他の国の作品とは段違いで…)下手の横好きとしてはなかなか手が出せずにおります^^;; 《コンセール〜》のガンバパートは憧れですね。。
ルセたちの演奏、よくレコードショップの店頭で見かけているのですが、なぜかいつも買い忘れてしまうんですよね●メンツはいかにも期待させますし、今度こそ買ってみます!
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