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めでたき哉のBGM

c0060659_20213057.jpg黒田ご夫妻、末永くお幸せに。
(*先日のNHKアーカイブスで、1984年の皇居に潜入取材を試みた番組が放送されていました。侍従たちは昭和天皇を「お上」と呼び、彼らは慣例として御所の廊下の端を歩かねばならず、各地から集まった「勤労奉仕団」に与えられるのは「御下賜の煙草と落雁」である。明治天皇が作らせた純金の御璽が燦然と輝くのを見るにつけ、この国が立憲君主国だとされていることを久しぶりに意識させられます。)

さて同時に今日は、この一年でもっとも多くパッヘルベルやモーツァルトがテレビの電波に乗った日でもありました。こういうとき日テレやフジは率先してクラシックをBGMに用いるのですが(NHKは頑なに無音)、どれもこれもすべて落ち着いたテンポかつ上品なレガートと素朴なヴィブラートに埋め尽くされた演奏なんですよね。たぶんパイヤールとかカラヤンのCDを使ってるんじゃないかと予想できますが、どこか一瞬でもアーノンクールとかゲーベルとかミンコフスキとかを使ってるんじゃないかとソワソワしつつ耳を傾ける僕はどうみてもクラヲタです。本当にありがとうございました。

モダンの室内オケが(自信を持って)バロックの名曲アルバムを出すという行為には、今日とんでもないプレッシャーがかかるかと思います。そんななかでオルフェウス室内管弦楽団が録音したこのアルバムは間違いなく一聴に値する。
あえて古楽的なアプローチ(つまりその多くは装飾とか大胆なアゴーギクとか...「遊び」の要素なんですよね)を排しつつ、もちろんピッチはA=440/442Hzで、どの曲もアングロサクソンぽい真面目さの中にすっきりとまとめあげていて感心します。このアルバムに入っている《水上の音楽》組曲とか《主よ、人の望みの喜びよ》、コレッリの《クリスマス協奏曲》、またパッヘルベルの《3声のカノン》は、20世紀後半の「室内管弦楽団の伝統」が辿り着いた最後にして最高のパフォーマンスだと思われます。すばらしい。これをたとえばイル・ジャルディーノ・アルモニコと比べて優劣を云々するのは筋違いでしょうね。
by Sonnenfleck | 2005-11-15 21:48 | パンケーキ(18)
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