on the air:ノリントン/シュトゥットガルト放送響のブラ2

c0060659_2331175.jpg今夜の「スーパーピアノレッスン」、さっそく見逃しました。あーあ。
気を取り直して、、この前の日曜日にNHKFM「海外クラシックコンサート」で放送されたノリントンのライヴについて。

【2005年5月5日 シュトゥットガルト、リーダーハレ】
●RVW:交響曲第6番ホ短調
●ブラームス:交響曲第2番ニ長調 Op. 73

この日の解説にはネコケン先生こと金子建志氏が登場。久々に彼のダンディボイスと必殺☆比較音源攻撃を大いに楽しみました(笑)
ノリントンとシュトゥットガルト放送響が昨シーズン、ついにブラームスのツィクルスを敢行。この日はその後半、第2番と第4番の模様が放送されました(第1番と第3番の放送は昨年の10月だったようですが、未チェック)。ノリントンはロンドン・クラシカル・プレイヤーズと一緒にブラームスを全曲録音していますが(最近再発されましたねっ♪)、このツィクルスもきっと近いうちにhänsslerからCDになって発売されるんじゃないでしょうか。

RVWはよく知らないので(愛情を込めて短縮形で書くほど親しくもない...)、コメントはパス。

さてブラ2。やはり滅法面白い。
第1楽章第1主題から、弦をできるかぎり薄く*ノン・ヴィブラートで!*精密に整理するノリントン節が全開です。弦楽器が出している物理的な音量が本当に小さいし、ノンヴィブだから響きは膨らまない(第2楽章冒頭のVcなんか心臓に悪いですよ^^)。
しかし(2004年の来日公演を聴いた印象でもそうなのですが)、彼らは決して「足りない」とは思わせないんですよね。10人が10人それぞれの尺度で「ブラームス然として」弾くのと、10人全員がそれ自体は振れ幅は小さいながら統一された同じアーティキュレーションで弾くのを比べたときに、後者のほうがずっと充実した響きになるのは言うまでもないこと。「それぞれの尺度」に任せっきりのひどい演奏ばかりの中で、ノリントンの演奏が際立っているのは当然のことです。
(*誤解しないでいただきたいんですが、10人が10人統一されたアーティキュレーションで「ブラームス然として」弾くという演奏スタイルはもちろんアリだし、当然その方向ですばらしい演奏は今までにたくさん生み出されてきた。「ブラームス然」の否定ではありません。)

もう一段階、話を進めると。
ノリントンの演奏で唸らされるのは、その統一された弦楽の上で、ブラームス独特のゴチャゴチャと絡み合う木管の旋律線が明確に示されることなんです。彼のやってるノンヴィブは確かに耳に障るから大いに目立つし、そこへの反発もわかるんですが、コントロールされた弦楽が必要なところですぅっと退き、木管の重要な楽想を絶対に埋もれさせないという技のほうがよっぽど注目されないといけないはず。トゥッティのffになったとき、あーFgってこんなことしてんだ…なんていう発見ができるのは、今のところ彼以外ではほぼ期待できないと思うのですよ。

曰く、ドイツ的な、精神的な、哀しみに溢れた、屋根裏に通されて苦悩を聞かされるような。
そんなキーワードと、そこからなにやら漂うイメージだけでブラームスを聴くのは、もったいないと思うのです。人生の何パーセントか、確実に損をしている。
by Sonnenfleck | 2006-02-08 00:57 | on the air
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