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アンチ家系

アンチ家系_c0060659_23181746.jpg久しぶりにドミさんについて。「生誕100年」のおかげで、これまで地下に潜っているしかなかったショスタコヲタクもようやく胸を張って歩けるようになりました。GWにはiPodにいろいろ詰め込んでひとりラフォルジュルネ~ショスタコーヴィチと仲間たち~をやろうと思ったくらいです(若干キモイので企画倒れ)。
音盤に関しても、超入手困難@血みどろ争奪戦であった「ムラヴィンスキー82年の第8」「コンドラシン/BRSOのバービィ・ヤール」がなんと1000円の廉価盤で復活という大ニュースが。あたしゃこの10倍の値段でも買いますよ。名古屋でも9月に第12交響曲の実演があるし、今年はショスタコを追っかけ続けてきて心底よかったーという出来事が目白押し。
(*「コンドラシン/SKDの第4ドイツ初演ライヴ」まで登場ということです。ひええ。)

んで当然のことながら新譜の発売も活発でありまして、僕もまずはラトル/ベルリン・フィルの第14番《死者の歌》+第1番(EMI)を買ってみましたです。
これがまた、、見事に「死んだような演奏」なんですな。
シェフがラトル+オケがBPO+歌手がマッティラとクヴァストホフ+ライヴ録音、とくれば、押しの強い過激なパフォーマンスを予想しますけど、あえて極度の静寂と洗練でもって表現したのが面白い。全般的にかなり抑制された音量、理知的に考え抜かれた「間」、控えめな皮肉、感情を抜いてメタリックに仕立てられたオケの響きは、あらゆる「直伝系」の演奏と一線を画しています。
だいたいこの第14番は録音数自体かなり少ないので、バルシャイとかロストロとか「『環境』が生んだ絶対的名盤」がいまだ脅かされず君臨し続けている。それらの評価を疑ってかかりたい向きはぜひこのCDを手にとってみてください。ラトルの演奏が「物足りない」と感じられたアナタは「ソ連っぽい演奏」に毒されすぎているかもしれません。クヴァストホフの柔らかい歌唱や、剣山のように揃ったオケの冷たい響き、あえてリズムを後ろ向きに倒した打楽器、ニュートラルに巧いKbソロなど、聴きどころ満載です。
しかし深夜、この「盛り上がらなさ」をひとりニヤニヤしながら楽しむのもまたヲタの本懐。
by Sonnenfleck | 2006-05-18 00:15 | パンケーキ(20) | Comments(0)
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