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中華一番/春之祭/永訣元帥夫人

c0060659_23524922.jpg夏の中華ネタ祭り・番外編にエントリ。

香港にHUGOというレーベルがありますが、サイト(ただし本家サイトは行方不明。これはHUGOの北米部門・HUGO Media Groupのサイトです)にはすでに載っていないアイテムが本日の一枚。麥家樂 (Mak Ka Lok)/ロシア・フィルによる、《春の祭典》+プロコ第7の録音であります(93年/モスクワ放送第5スタジオ)。
正教教会のトンガリ屋根と、謎の香港人指揮者・麥家樂、そして赤いチューリップと青空がブレンドされたジャケット。そしてオール中国語の帯には「春之祭・粗野凶暴」の文字が躍ります(帯文化はアジア的には普遍なのか/ここまで書かれたら聴かざるべからず)。

史特拉汶斯基的《春之祭》~第一部分〈大地的禮拝〉。
しかしまあこれが...気分のムラと思いつきとダルな部分が渾然一体としたヘンテコ演奏なのであります。
序曲と〈春天的預兆-少男少女之舞〉まではやる気がない。あの中国人指揮者、時間どおりに始めちゃったわ…どうするよ同志イヴァン・イヴァーナヴィチ?的な朝10時テンションなのです。そんな感じでアクセントつける気ゼロのVnたちの平板っぷりに思わず笑ってしまうんですが、それもここまで。
〈春天的輪舞〉の後半で突如、銅鑼と金管が恐ろしいほどのタメを作ると、〈敵對部族的競技〉と〈智叟的行進〉で爆発的に音響が拡大しちゃうんですな。しかし案の定、全然整理されておらず、特に後者ではてんで各自が強奏するもんだからうるさいうるさい。。なんだこれ(笑)

きっとお昼ごはんを挟んで、第二部分〈祀獻〉。
またテンション下がってますね。食べ過ぎて眠いんだろうか。ついには音程すら適当になってきて序曲は実に気持ち悪い。。そして〈當選少女的讃美〉と〈祖先的儀式〉で思い出したように突然爆発するのはもう読めてます。なんといいかげんな^^;; 最後の〈祀獻大舞-當選少女〉は、、機長が限界一杯まで速度を落としてるのに、それでもオケはほとんど空中分解し燃え尽きながらシェレメーチエヴォ国際空港に滑り込み~
「粗野凶暴」の看板に偽りなし。しかし麥家樂氏はこれでよかったのか。

* * *

併録の普羅高菲夫的《第七交響曲》は、ある程度集中した普通の演奏です。つまらない(笑)
しかしこのCDのあと、石叔誠+陳佐湟/中国中央交響楽団による《黄河鋼琴協奏曲》を聴くと、ああロシアはあれでもまだヨーロッパなのだということに気づかされるのでありました。

* * *

さてエリーザベト・シュヴァルツコップ死去。90歳の大往生ということです。
多くのファンにとって彼女は元帥夫人であり、また彼女自身もあの役をレパートリーの中心に据えていたのでしょうけど、僕が個人的にもっとも慣れ親しんだ彼女の歌唱は《ホフマン物語》のジュリエッタなのであります(クリュイタンス/パリ音楽院管)。欲望に溺れる高慢な高級娼婦が、シュヴァルツコップの(いささか険のある)透き通った声によって、まさに手の届かない高貴な存在になるんですよ。…合掌。
by Sonnenfleck | 2006-08-05 23:55 | パンケーキ(20)
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