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c0060659_14391399.jpg先般、秋葉原の石丸電気にて購入せるロジェストヴェンスキー/モスクワ放送響のショスタコ第15交響曲・海賊盤ですが、調べていくうちにとんでもない逸物であるということが判明してきました。

整理してみましょう。
ジャケの日付は1972年5月10日、収録されているのは
■1.ソ連国歌+《君が代》
■2.ショスタコーヴィチ:Sym#15
■3.グリンカ:《ルスランとリュドミラ》序曲

なのですが、これをあいざーまんさんの海外オーケストラ来日公演記録抄で調べてみますと、、確かにこの日、ロジェヴェン先生と来日中のモスクワ放送響は大阪のフェスティバルホールで第15交響曲の日本初演を行なっているようなのです(なお東京初演は6月1日@厚生年金会館)。
この日は前半にタコ15、後半にチャイコフスキーの《悲愴》が組まれたようなのですが、今回手に入れた海賊盤には《悲愴》の代わりに「名刺」の国歌演奏と、アンコールと思しき《ルスランとリュドミラ》が収録されており、臨場感たっぷり。

さらに日本一詳しいショスタコサイト、工藤さんのDmitri Dmitriyevich Shostakovichの記述を拝見すると、第15番の世界初演は、この海賊盤から遡ること僅か4ヶ月前の1972年1月8日、マクシム・ショスタコーヴィチ/モスクワ放送響によって行なわれておるのですが、同年5月に行なわれた「東ドイツ初演」(スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立響)が「日本初演」よりも僅かに遅かったため、実質的にこの海賊盤に収録されているのはソ連国外初演の音源ということになります。

おそらくこれはNHKが放送したFMの音源をそのままCD-Rに焼いたものかと思われるのですが、よしじゅんさんの「このレコード何とかしてくれ 1972年ロジェストヴェンスキー/モスクワ放送交響楽団来日公演の知られざる録音」によると、なんと前述した6月1日の東京初演の様子も音盤化されているということで、ややこしくなってまいりますが。。

* * *

しかし何より、演奏が超弩級に素晴らしいのでありますよ。
15番ってザンデルリングのように「静かな」演奏が主流じゃないですか。ロジェストヴェンスキー自身の正規録音(1983年)はそんな中でも非常に「細かくてうるさい」ナイスな演奏なのですけど、このライヴはそれに輪をかけて凶暴・荒削り・破天荒。。オケの側にはかなりのミスが聴かれるのだけど、いかにも誇らしげに《ウィリアム・テル》の主題を弾くところなんかは「今オレたちが演奏してるのはショスタコーヴィチ先生の新作!」という雰囲気があるし、お客が咳一つしないで固まってる様子なんか、現代音楽の熱い「場所性」が確かに伝わってきます。

第4楽章で「運命の動機」を高らかに鳴らしたり、最後のチャカポコチャカポコ...がやけに力強かったり(全然消え入らない)、現在主流の演奏とは明らかに雰囲気が異なるのだけど、第15番の演奏でこんなアプローチが可能なのかと逆に仰天させられた次第です。。
(*ぜひ聴いてみたい!という方は、石丸電気SOFT3の店頭、通販であればアリアCDへどうぞ…。こっそりです。)

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先ほど、延べ30000HITをいただきました!ありがとうございます。
by Sonnenfleck | 2006-08-26 12:46 | パンケーキ(20)
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