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センペ熱つづく

のだめ関連でアクセス数がとんでもないことになってますが…ここはクラシックヲタクのブログなのでいつもどおり勝手にやらせてもらいます(笑)

c0060659_20311463.jpg【ヴェルサイユ―魔法の島/alpha 016】
バナナレコードの本店に転がっていました。信じられん。
スキップ・センペと手兵カプリッチョ・ストラヴァガンテによる「フランスバロック名曲集」でありますが、《プシシェ》の序曲に始まり《アマディス》のシャコンヌで終わるこのアルバムは、もうひとりの太陽王リュリと彼の同僚による音楽のヴェルサイユ。そんじょそこらのポプリとはわけが違うのです。

まずはリュリのトラジェディ・リリクと《町人貴族》が外枠として設置され、仕切り板はリュリストの嚆矢、ダングルベールのクラヴサン曲。その中にダングルベールの先生シャンボニエール、センペの十八番ルイ・クープラン、カンプラやマレが配置されている。2回演奏される《町人貴族》の〈トルコ人の儀式のための行進曲〉(有名なドコドコ音楽ですな)には驚くべき仕掛けがあって…まったくよく出来てますよ。
そうした中でカプリッチョ・ストラヴァガンテの豊満で扇情的な響きと、センペの鮮やかすぎるソロとの劇的な対比が強調される。それでもルイ・クープランのハ長調の〈パッサカーユ〉は、3年後の録音に比べるとずっとなよやかで叙情的です(気ままとしか言いようのない自由なアゴーギクがそう感じさせるのか)。
極め付きは、ダングルベールが2台クラヴサン用に編曲した《アルミード》の〈パッサカーユ〉リュリといったら何を措いてもパッサカーユなわけですが、その中でも屈指の、やりきれないくらい美しいあの曲が、センペ(とオリヴィエ・フォルタン)の指で自在に変換されていく様子には聴いていて冷や汗が出てきます。すげー。
(*センペはこの〈パッサカーユ〉元編成の録音もしています。感想文はこちら。)

フランスバロック好きはリュリ派とラモー派に峻別されるように思いますが、夏までラモー派だった僕はこのCDと出会ったことでリュリ派に転びました。リュリのテクスチュアは単純でも無味無臭でもなく、そもそも複雑で繊細な旨みが特徴なのかもしれない。ヒラメと中トロ、どちらも素晴らしいことに違いはないけど、今はヒラメをお腹一杯味わいたい気分ですねえ。
by Sonnenfleck | 2006-10-18 22:33 | パンケーキ(18)
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