【2006年12月11日(月)21:00~21:54 東海テレビ】
いよいよドラマは終盤に向かって収束してまいりました。千秋の札幌行を短めのアバンタイトルで消化して、のだめ葛藤編をじっくりとメインに据えた格好(ややつなぎ回的な雰囲気でしたが)。原作ではこのあたりのエピソードがいちばん好きなんですけど、脚本は原作の輪郭を丁寧になぞりつつ、微妙なオリジナリティを混ぜてうまくやってると思います。 ◆シューベルト D.845。こんなに暗くて救いようのない曲が月9を支配するなんて、誰が予想したでしょうか。 作者が原作でこれを出してきたとき、さすがに仰け反りましたよ。でもここでこれを持ってきた意味は大きい。 シューベルトの作品はこっちから積極的に近寄らなければまず理解できないと思います。あの独特の「空気の薄さ」に何を聴き取るか、あるいはそれを何かで埋めようとするのか、ただそこに浸ろうとするのか…聴くだけなのに実に難しい。 今回ちょっと垣間見えたトラウマの反動から、ただ自分の満足のためだけに、あるいは受身でピアノを弾いてきたのだめですけど(ドラマではモーツァルトの2台ピアノやらラフマのPコンやら、そんなシーンが多く印象づけられてますよね)、シューベルトに対して「何かをしよう」とする決意が、彼女を変えたのかもしれない。 ◆10-4と悠人クン 原作だとリストだったような気がするんですが、ショパンの練習曲に差し替え。「嫌そうに弾く」へのアプローチが脚本の手できれいに整理された反面、こちらが想像するためのあそびは少し減っちゃったかなという感じはあります。悠人クンはイメージどおり(笑) ◇今週のクラヲタポイント ・カニの場面で一瞬流れたブラ3の第3楽章で歓喜の雄叫び。短くてもそれでいいのよ。 ・《夏》の第3楽章は二の腕が乳酸です。 ・日本最高のサントリーホールのあとは、サントリーの黒烏龍茶で中性脂肪を減らせ。
by Sonnenfleck
| 2006-12-12 00:11
| on the air
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Comments(6)
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kaorinishina
at 2006-12-12 00:56
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シューベルトの項・・そうでしたか。これで千秋先輩のメール「向き合えよ」の意味がいっそう鮮やかに、深まって自分の中でリフレインしました。
今思い出しましたが、樹里ちゃんの二の腕の筋肉がピアニストっぽくて良かったです。
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Sonnenfleck at 2006-12-12 22:05
>kaorinishinaさん
なんとなくそれらしいことを思っただけですが…久しぶりに取り出して聴いたシューベルトはやっぱり難しい。。ちょっと気を抜くと耳からこぼれ落ちてしまうようです。 上野樹里は小さいころピアノをやっていたらしいです。上体の動き、細かな仕草なんかが非常にリアルでいいですよね。
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nyoirin at 2006-12-13 12:05
シューベルトは難しい人ですね。この回を観ていて、村上春樹の「海辺のカフカ」で重要なポイントのひとつだった「ニ長調のピアノ・ソナタ」を合わせて思い出しました。『ある種の完全さとは、不完全の限り無き集積によってでしか、具現できないことを知る…』というところ。
「木星」はやっぱり「しゅてき、しゅてき〜♡」ともあらためて感じた回でもありました。
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Sonnenfleck at 2006-12-13 23:38
>nyoirinさん
『カフカ』でのシューベルトは実に巧みな使われ方でした。クラシックには限らないけれど、村上春樹の文字列によって描写される音楽ってどうしてあのようにある種の鮮やかさを備えてるんでしょうね。。翻って原作『のだめ』は、言葉によって説明されないものがシューベルトの音楽で補完されていて、なるほどなあと思ったのを記憶してます。 《木星》の登場はベストなタイミングでした(笑)
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Sonnenfleck at 2006-12-17 20:30
>まこっちさん
はじめまして。コメント&TBありがとうございました◎ 演奏部分の演技はやはり原音を流しながらそれに合わせるスタイルなんですね。貴重なお話ありがとうございます。それにしてもやっぱり最後はあの《ペトルーシュカ》が出るんですね!楽しみです。。
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