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常設特別展「金山明」@豊田市美術館

よっしゃ豊田に出かけよう!と自室で思い立ったのが13時半、美術館到着が15時。
土曜の午後だというのに、この館内で見かけた人間の数はせいぜい20名足らずというところでした。しかし…そう、そうでなければ!と北風に向かって叫んだ。ウソです。

下の写真は昨年11月の初訪問時にうっかり行きそびれた場所から建物を眺めたところ。
建物の2階部分にこんな「池」が作られてるなんて、誰が予想するだろう。

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チケットを買うまで気づかなかったんですが、現在開催中の「金山明」展は「企画展」ではなく「常設特別展」の扱いで、入場料は他の常設展示の分も含めてなんと300円なのですね。
こんな金額で「美術館」を(ほぼ)独り占めできる最高の贅沢。

c0060659_648127.jpg昨年亡くなった金山明という人は、具体美術協会の重要な構成員として前衛のスタンダードを行った画家のようです。「前衛のスタンダード」ってかなり残酷な表現ですが、、今回の展示作品を見ても新鮮な発見が何一つなかったのだから仕方がない。

むしろ、左に画像をUPした《作品》(1954年)という作品のように、画家が制作当初に意図したであろう「均一な色彩・均一なマチエール」が経年とともに失われて、逆に汚れや変色など独特の味を備えるに至っている状況だけが面白かった。物理的な面でも、そlこに込められた思想が想起させるイメージという意味でも、作者の与り知らないところで作品は変容して、まさにその時のその形でしか受容されないんだよなあ。
僕なんかは、受容側の責任のなさに安堵します。作り手側だったら絶対耐えられない。

などとぼんやり思いつつ「金山明」展(展示室1~3)を抜け、豊田の街並みを一望する空中回廊を通って展示室4へ。
豊田市美術館は、自前で持っている作品が良すぎるのです。
燦然と輝くクリムトの《オイゲニア・プリマフェージの肖像》を中央に、狂気に沈むシーレの《カール・グリューンヴァルトの肖像》を左に、泰然としたエルンストの《子供、馬そして蛇》を右に。
そこで振り返ればイヴ・クラインの群青と、フォンターナの裂け目が目に飛び込んでくる。そしてクリムトの裏にこっそりと展示された、ダリの《皿のない二つの目玉焼きを背に乗せ、ポルトガルパンのかけらを犯そうとしている平凡なフランスパン》のキモカワイイ様子にニヤリ。

それにしても、ここでさっきの話を思い出さないのはどうして?百科事典的美術館的なところに収拾されてしまって、名画を名画としか認識できないから?これらが誕生したときからこれらだったはずはないのに?まるでわかりませんが、わからないものに接しないとダメになってしまうような気がしているので、また近いうちに足を運ぼうと思います。

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by Sonnenfleck | 2007-01-24 06:49 | 展覧会探検隊
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