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一晩ねかせた、あのソーゲ。

c0060659_19273779.jpg《チェロのための協奏的メロディ》(チェロ協奏曲)。被献呈者ロストロポーヴィチのソロと、作曲者指揮のモスクワ放送響によるスタジオ録音が、僕の唯一のアンリ・ソーゲ体験であります。

このエントリを書くために昨晩と今晩と合わせて10回くらい聴いてようやく輪郭が見えてきました。協奏曲らしい華やかな局面、口ずさめるような単純なメロディが極めて少ない。
緩慢に流れる独特の時間の中で、旋律楽器のコンチェルトとは思えないような分厚い和音がキラキラと輝くようです。ケクランと新古典期ストラヴィンスキーの幸福な結婚という感じだけど、本人がリスペクトするミヨーとはちょっと違うし、なにしろ晦渋と言うには心地よすぎる一瞬も確かにあって…・。

つなぎ目のない単一楽章形式。冒頭3分の渋い序奏ののち、弦楽器の特徴的な律動に乗って主題らしい旋律が現れる。しかし退廃的で移り気なこの「主題」はすぐに変容してしまって、元の形を留めずに分厚い和音の中に拡散してくのです。
(*「主題」に限らず、この曲はとにかく楽句の息が浅い!ちょっと集中して耳を傾けようとするとリズムも旋律もすぐに遠くへ飛び去ってしまうので、常時欲求不満気味。ロストロに与えられた役割も目まぐるしく遷移します。)
一晩寝かせたカレーのように、スープと鍋内空気の境界は曖昧で、具はグズグズに煮崩れている。でもなぜか旨い。よくわからないのに繰り返し口に運んでしまう。。

この人の曲ってみんなこういう感じなのかしら…。熟ソーゲ。
by Sonnenfleck | 2007-02-17 20:05 | パンケーキ(20)
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