山尾さんのエントリでダフクロ話を拝見して、物凄ーく久しぶりにブーレーズ/BPOの音盤を取り出して聴いてみました。
この演奏、本当に面白くないんですよ。。 骨格にフシダラな感情を抱いてるみたいで、肉を想像すればするほど空しい気持ちになる。山尾さん式に従ったとしても、クロエが栗山千明という他は…残り全員マリオネットでいいんじゃないかと。完全なソロ、完全な拍節感、ウィンドマシーンまで完全ときたら、不完全なのはもう聴き手だけではないですか? カップリングの《ラ・ヴァルス》もMIDIのような乾き方ですが、ラヴェルが表現したかったことにいちばん近いのはこういう冷笑的なマチエールなのかもなあ。
by Sonnenfleck
| 2007-04-04 23:26
| パンケーキ(20)
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Comments(8)
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dr-enkaizan at 2007-04-07 02:03
毎度です
そうなんですよ9・・・・なぜか?ブーレーズの再録音のラヴェルはベルリンフィルの録音は、期待沿ってくれないものが多いことを、小声で囁きたい次第です。 オケの上がり気味のピッチや、ホールトーンの暗さなどが要因ありそうですが。オケが余りに譜面に対する指揮者の批判の姿勢を理解していないような気がします。前回の録音はお聞きになっているかは解りませんが・・・余りにそのオケの殺気振りが違いすぎます。 これはラ・ヴァルスも同じであり、その一心不乱に剥きになって、ラヴェルが仕掛けたオケのギミックの変遷を克明に描いた初回録音を見ると、「冷笑的」というより、見事な贋作後期ロマン派ワルツという本質が見えてきそうな気がします。 つづく
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dr-enkaizan at 2007-04-07 02:12
>MIDIのような乾き方
DTMを少しやっている身分としては、ちょいとゆゆしい(笑)ネガティブな表現と見受けられますが・・一口にMIDIといっても・・・音源エフェクトや各種モジュレートやアーキュレートの入力などによかなり違うところありますね。 さらに入力によってはワエルグマイスターやキーンベルガーなどの古典調律なども体感再現できる利点もあるのですがそれはさておき。 もっともここで想起しているのはPCのおまけの音源あたりを指しているだと思いますが、この辺は確かに(笑)・・・・ローランドの音源の区分で言うと・・・実際55系16CHがメインですので、本格的な88系の32CHをとは雲泥の差ですね。 まあラ・ヴェルスは真面目にMIDIで再現しようとすると、オケでの弦楽器の音程のエントリー数や、器楽の箱鳴りに違和感があり、単純な入力方法ではグリッサンドあたりで、絶対あの音色は再現できないことは約束できそうです(笑)。
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dr-enkaizan at 2007-04-07 02:36
話をダフニスにもどして、じつにこの曲はダフニスを口実に、ラヴェルのギリシャ趣味全開ですよね・・・。
テクストはロンゴスの作の性教育の教科書だったといわれる、今様な女性キャラ増やして、介錯氏のキャラデザにして、エロゲー(無茶な)発売のあと1クールの深夜アニメになりそうな、冒険と波乱万丈とエロスなんですが・・・。 そのラヴェル趣味は・・・・一例として、そんななかボースイズラヴ層に受けそうな、みたいな・・・ドルコンとダフニス踊合戦のところは、ダフニスの若いしなやかな踊のところは、ホルンの「とってもピタゴリアン」な、ナチュラル倍音の背景にアルカイックなフルートに、そしてサティーのあの有名曲一節に酷似した回答で、「若者の裸身」を表現して、弦楽のグリースのため息と、そのギリシャ趣味を後期ロマン派文脈に翻訳しているぶりが感じられるもんですよね。
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nobumassa at 2007-04-07 07:16
おはようございます。
気になってきたので、新録音を改めて聴いてみます。旧録音はドビュッシーで聞かれたのとは違うブーレーズらしくない響きがするので、大変面白く聴いておりましたので。
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Sonnenfleck at 2007-04-07 09:44
>ドクター円海山さん
いつもありがとうございます。 恥ずかしながらブーレーズの旧録音は未聴です。。新旧両方聴いたドビュッシーの《海》も―専門家たる円海山さんの前では分不相応ですが―旧録音のほうが「違和感」があって面白いですし、この「違和感」こそが指揮者ブーレーズの美点なんでありましょう(その点、ブーレーズの考えている「違和感」を表現するためには楽譜の完璧な再現が不可欠であるとすると、おっしゃるとおり新録音はオケ側の意識に責任の一端がありそうです)。旧録音も必ず聴いてみます! MIDIについてはまさに「PCのおまけ音源」程度の認識でしたので、ご気分を害されたらゴメンナサイ。。古典調律も再現できるんですか…。 さて「ダフクロ」…腐女子なる方々の手になるドルコン×ダフニスのBLは案外ラヴェルの本心に近いところがあるのかもしれませんね(笑)
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Sonnenfleck at 2007-04-07 09:49
>nobumassaさん
私見ですが、ブーレーズ自体は50年前に指揮者を始めてから今日に至るまで特に変化していないような気がするんです。してみると、ブーレーズという「ブレない基準」を置いてラヴェルやドビュッシーのあからさまな違い、あるいはオーケストラの認識の違いを聴いて楽しむというやり方はアリかもしれません。私も旧録音を聴いてみないと!
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dr-enkaizan at 2007-04-07 13:35
Sonnenfleckさんどうもどうも
>―旧録音のほうが「違和感」があって面白いですし、この「違和感」こそが指揮者ブーレーズの美点 同感ですね、さすがです、またもや音の動体視力とその音から譜面状況を嗅ぎ分ける鋭い感覚が発揮されていますね、実はブーレーズの「海」は旧版のスコアの不整合な部分をそのまま補足せずに演奏しているところがあります、たとえば海の夜明けから真昼までの4:20のところのティンパニーパート欠などはその聴覚でわかる端的な一例ですね。 なおブーレーズの演奏についてはすこし一つひねって考えておりますが・・・・長いので(笑) http://www32.ocn.ne.jp/~tenen/MER/XFDF.htm のブーレーズのところを観てください。 ああ・・・これも完成補完せんと・・・。
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Sonnenfleck at 2007-04-08 19:36
>ドクター円海山さん
確かに当該箇所に「違和感」がありますね。私はスコア読まない(読めない、か)人間なのですが、ここにティンパニがないと「変」なのはなんとなくわかります。。 《海》はいまだに全貌が掴めないのですが、日本一の《海》サイトの完成、一ファンとして気長に待ち望んでおります。
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