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on the air:W=メスト/GMJO の《千人》

ちょっと遅くなりましたが、W=メスト、ウィーンの親方就任決定記念で。

【2001年9月8日 ルツェルン文化会議センター・コンサートホール】
<ルツェルン音楽祭'01>
●マーラー:交響曲第8番変ホ長調
→S:エリザベス・ホワイトハウス、ヒレヴィ・マルティンペスト、
   マルティナ・ヤンコヴァ
  A:イヴォンヌ・ナエフ、ヤドヴィガ・ラッペ
  T:ヘルベルト・リッペルト
  Br:ペーター・ウェーバー
  Bs:アンドレアス・マッコ
→プラハ・フィルハーモニー合唱団、ウィーン・ムジークフェライン合唱団、
  聖フローリアン少年合唱団
⇒フランツ・ヴェルザー=メスト/グスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラ

部屋中探して、彼の指揮で見つかったのはこのエアチェックだけでした。
凄腕銀行員みたいな風貌のW=メストですが、この6年前の演奏では、実にわかりやすくて親しみやすいまとめ方で聴かせてくれているわけです。美しいところは徹底的に磨き上げ、控えめなところはうんと弱く、でも下品な表情づけは絶対に避けて、巨大な曲を丁寧に整える―これってもしかしてカラヤンと同じスタイルなのでは…。カラヤンは下品下品ってよく言われるけど、僕はそうは思わないのです。素朴質朴の反対を「下品」だとすればそれは正しいかもしれないですが、素朴な演奏が好きでない人間にとっては、丁寧に作りこまれているものこそ「上品」であると感じられるのですよ。。

《千人》の第1部は誰が振ってもある程度聴き栄えするし、うまくいきやすいと思うんだけども、第2部前半、「法悦の神父」が出るまでの荒野のシーンというのは、なかなかキャラクタライズしにくいような気がする。これを痩せたままで美しくやるのがベルティーニやギーレンであり、隈取りを施してねっとり激しくやっちゃうのがバーンスタインやテンシュテットなんですが、ここでW=メストが取った道はその真ん中。響きの厚み・圧力を集中的に高めて輪郭をはっきりさせるけれども、品のない歌い崩しはやらない。でも音圧が高いので豪華な感じがする。
「法悦の神父」から先は巧みに表情をつけて、わかりやすさにも気を配っているようです。「若い天使たち」のあたりの角笛的テクスチュア、「贖罪の女」以降を積極的に弾ませるようにしているのが面白いし、それゆえに輪郭が蕩けず「インテンポなのに抒情的」になっているのが素晴らしい。山あり谷ありを巧みにリライトして、しかもそれをリライトだと思わせないところ、これってどうもカラヤンタイプの行き方だと思うんですが、、どうなんでしょうね。

8月、クリーヴランド管とのベートーヴェン9番が、なんとDGから電撃発売!のW=メスト。買って確かめたいです。いろいろと。
by Sonnenfleck | 2007-06-19 06:28 | on the air
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