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僕らの啓蒙時代

c0060659_6503223.jpgというわけで一昨日は長野県の上高地に。梅雨の合間で空も穏やか、晴れた七夕の日を体験するのはいつ以来でしょう。
人が多いわりには名勝や食事場所、休憩場所の極がそれぞれ一箇所にドンと固まっていて、テーマパーク的な統一感がありましたね。さすが名にし負う観光地。完璧に征服された自然という感じで僕は好きです。

そして昨日は、ヒキコモリにて未聴CDの消化。
まずはボーモンの演奏による、「The Enlightment in the New World: American Harpsichord Music of the 18th Century」であります。アメリカが独立した当時、あの国の室内に響いていたであろうチェンバロ作品を集めた好企画。名駅高島屋の新星堂で安く売ってたので買ってみました。
はっきり言うと、これは素晴らしい!藝術の深淵を覗いて鳥肌が立つ!…という曲はひとつもありません。登場する8人の無名作曲家たちもほとんどがイングランド生まれ、雰囲気としてはやっぱり(あの当時ロンドンを牛耳っていた)クリスティアン・バッハもどきなんですね。全部で10あるトラックすべてが長調作品(!)、どれも肩肘張らずに楽しく聞き流せるものばかりですが、これはこれで価値があると思います。

トラック1、ウィリアム・セルビーのヴォランタリー第8番イ長調だけはライナーにあるとおりヘンデル風でちょっと大時代的な響きがするんですが、トラック4のジョン・クリストファー・モラーのシンフォニア変ホ長調になるとすっかり単純な前古典派的スタイルになっちゃってます。
あとはジェームズ・ヒューイットの2作品が注目される。
トラック6、《ヤンキー・ドゥードゥルと9つの変奏》は、例の「アルプス一万尺」の主題による華やかな変奏曲。この主題は独立戦争時の愛国歌だったようですから、さもありなんですね。第3変奏の不安定な展開、および第8変奏の極端なヴィルトゥオジティは、このCDの中では数少ない、ハッとする局面です。
そしてトラック10、《トレントンの戦い―ジョージ・ワシントンに捧げる歴史的軍隊ソナタ》…これは立派なキワモノですね(笑) 独立戦争でワシントン率いる大陸軍がドイツ傭兵軍に対して勝利を収めたトレントンの戦いを、奏者によるナレーション入りで描写します。まるでトムとジェリーなスラップスティック。

しかしこの何十年後かにドヴォルザークが渡米するまで、この国の音楽史については何ひとつ知らないのです。このあとどうなっていくの?ミッシングリンクはナクソスのラインナップに埋まってたりするのか?
by Sonnenfleck | 2007-07-09 06:51 | パンケーキ(18)
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