【LONDON/F00L-23005】
●ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調 op.95 《新世界より》 ●同:同第8番ト長調 op.88 ⇒クリストフ・フォン・ドホナーニ/クリーヴランド管弦楽団 BOOKOFFで売ってるCDって実は遺品だったりすることがけっこう多いんじゃないかと思うんですよ…。クラシックを愛していた故人の厖大なコレクションのすべてが、図書館やディスクユニオンやバナナレコードに回収されるわけではないという、、この残酷な未来。。 これは夏に実家へ帰省したときに、近所のBOOKOFFで手に入れたもの。マルPはCD出始めのころの1986年、品番F00L-23005で、元祖「LONDON BEST 100」シリーズの1枚。何度も丁寧に読まれた形跡があるライナーノーツはヨレヨレで、一緒に印字されてる「BEST 100」のラインナップには前オーナーの手書きで丸印とレ点が書き込んであります。架蔵/未架蔵をチェックしてたんだろうな。なんか涙が出てきた。。 …あーもう!しかしかっこいいなドホナーニ先生! ドホナーニとクリーヴランド管は、それはもうボヘミアの郷愁を音にする気なんかさらさらないようで、美しくもドライな響きをポイっと残してスタスタと前に行ってしまいます。 ジタバタボッテリして品はないがとにかく魅力的な(経験的にはフェドセーエフとかチョン・ミョンフンとかの)ドヴォルザーク、これが多くの聴き手の心に直接触れるという事実は確かに認めます。でも、こうして白々しいくらいスマートで金属的光沢を放つドホナーニのドヴォルザークが無視されていいということにはならんでしょう。 蜂蜜色に光る《新世界より》も素敵ですが、第8が耳からウロコの連続なんですよ。 第1楽章は5月のブラームスを髣髴とさせる理性の結晶。揺るぎない横線。 極上の第3楽章は、美人にテキトーにあしらわれるような快感を感じさせます(大丈夫か)。トリオのティンパニが慎み深い。 さても第4楽章の「コガネムシ」主題がまた毅然としたアクセントで演奏されて、引き続き横線は拍の「無駄な」伸び縮みを回避します(ドホナーニ・マジックにはまっている間、恣意的なアゴーギクは完全に無駄としか聴こえません。不思議なことに)。そこへ清潔にして円やかなクリーヴランド式縦線和音が軽やかに突き刺さり、流線型の響きが回転しながらコーダへ。 やっぱりドホナーニ先生は偉大。
by Sonnenfleck
| 2007-10-12 06:47
| パンケーキ(19)
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Comments(2)
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モザイク
at 2007-10-14 00:09
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初めてコメントさせて頂きます。ドホナーニ、いいですよね。NDRとのブラームス(in 名古屋)も良かったです。その時のアンコールもドヴォルザークでしたが、清楚な美しさ、というと陳腐ですけど、素晴らしいものでした。少しずつ彼の録音を集めていますが(茨の道です…)、スメタナも中々でした。
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Sonnenfleck at 2007-10-14 00:56
>モザイクさん
はじめまして!コメントありがとうございます◎ そうでしたね。あのときのアンコールも(べったりやろうと思えばいくらでも重たくできるスラヴ舞曲を!)清潔にドライにやってくれていましたっけ。 名古屋公演のあとドホナーニの旧譜が聴きたくなってタワレコなんかに行ってみたんですが、どうやら本当に中古屋を地道に回るしかないという事実を突きつけられました。。スメタナよさそうですね。。通常カオスや威力が解の公式としてまかり通っている作品で、ドホ氏の選択する方法が生きてくる場合が多いのだと思います。マーラーとか入手困難ですが。 今後ともよろしくお願いいたします。
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