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サイココンダクター、スダーン。

c0060659_9345625.jpg【OEHMS CLASSICS/OC 349】
●シューベルト/ベリオ:《レンダリング》
●モーツァルト:協奏交響曲変ホ長調 K297b
→イングリッド・ハッセ(Fl)、イサベラ・ウンテラー(Ob)
  ヴィリ・シュヴァイガー(Hr)、エドゥアルド・ヴィンマー(Fg)
●同:交響曲第35番ニ長調 K385 《ハフナー》
⇒ユベール・スダーン/
  ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団

1999年と2002年のザルツブルク音楽祭ライヴ。
この演奏、もしかするとFMで聴いてたりするんじゃないかなあ。
スダーンという指揮者について僕の中に何かイメージがあるとしたら、それは「東響のシェフ」ではなくて、「ベストオブクラシック<ザルツブルク音楽祭特集>の常連」になると思う。休刊になる直前の『FM fan』でも、妙に登場回数が多いくせに、スーダンなのかスダーンなのか表記が定まらなかったような気がする。
スダーンはいちおうピリオド系の指揮者に分類されるのだと思うんですけど、FMで聴いていた印象からすると、どーうも半端というか…ピリオド・アプローチを引き入れてそのあと何がしたいの?という演奏が多かったような。ファンの方には申し訳ないんですが、古楽風のすっきりした音響の設計は巧みだけどその先が読めない。。

《レンダリング》目当てで買ったこのCD。
「ピリオド(アプローチもやる指揮者が振りました)系」という意味では、今年2月のブリュッヘンのライヴから遡ること5年前、《レンダリング》においてすでにモダンとピリオドが「衝突」してたことになります。
ただし、実際のところはどうなのかと申しますとですね。この演奏の場合「衝突」っていうのは完全に言葉の綾で、こんなに継ぎ目が曖昧でいいのかっていうくらいフラットな感覚。シューベルトとベリオの間にギャップなんかないぜ!みんな地続き!ラヴ&ピース!という、ブリュッヘンとは真逆の方向へ走っている演奏です。
しかし。
考えてみれば、シューベルトとベリオの継ぎ目がないっていうのは実は恐ろしい状況でして、日常のシューベルトに油断していたらいつの間にか周囲は全部ベリオにすり替わっていた、というサイコスリラー。さらに気がつくと、、ベリオは元通りシューベルトになっている、ああこいつはベリオがシューベルトに化けているのか?それとも真犯人は善良なシューベルトだったのか?といういや~な感覚を呼び起こします。
これは恐らくシューベルト部分もベリオ部分も同じまったりテンションで造形されているために起こる現象なのだと思いますが、すべて承知の上でやっているのだとしたらスダーンの鮮やかな手腕を認めないわけにはいかないでしょう。。

協奏交響曲K297bと《ハフナー》は…よく言えば善良な演奏です。
善良の裏に何かあるとか、あえて考えたくはない。
by Sonnenfleck | 2007-11-04 09:38 | パンケーキ(18)
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