■
初音ミクでミニマル ”Hatsune Phase” for 2 Vocaloids(ニコニコ動画)
作者のコメントにすべてが現れています。
つまり、これまでに制作されてきた「初音ミク」のクラシックは、「声にかなり似たもの」を使って
いかに「声」を再現するかという点に皆の興味が集まっていたのではないかと。いっぽうで、「声にかなり似たもの」を使って
「声」ではできないことを表現するという道は、まったく未開拓だったと言ってもいいでしょう。
そこに登場した、
《Hatsune Phase》。ライヒの
《Piano Phase》を、「声にかなり似たもの」で置き換えてしまった。こういった方向の作品を、もっと聴いてみたいのです。もちろん、「声」の1パッセージを録音して細工してやればこんなことは簡単にできるんだろうけど、
いったい誰 が 「 歌 う 」 のかという絶望的な一点が厳然として存在する中で、一筋の光明ではないでしょうか。
それは、カーテンを閉め切った暗い部屋の安楽椅子作曲家が、「声にかなり似たもの」を手に入れたという意味で。彼女は彼のためだけに歌う。
元ネタも載っけておきます。
■
スティーヴ・ライヒ 「Piano Phase」(ニコニコ動画)