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on the air:ヴェルザー=メスト/クリーヴランド管

on the air:ヴェルザー=メスト/クリーヴランド管_c0060659_610139.jpg【2006年9月30日 クリーヴランド・セヴェランスホール】
●モーツァルト:Pf協奏曲第17番ト長調 K.453
→レイフ・オヴェ・アンスネス(Pf)
●ドヴォルザーク:交響曲第5番ヘ長調 op.76
●J. シュトラウス:ワルツ《芸術家の生活》 op.316
●同:《アンネン・ポルカ》 op.117
●同:《こうもり》序曲
⇒フランツ・ヴェルザー=メスト/クリーヴランド管弦楽団

ラジオで聴いている最中もそのように思ったんですが、録音したものを改めて聴き返してみると、弱奏も強奏も恐ろしく滑らかでスマート、響きが大変に美しいということがわかります。
そうなると僕の中ではやっぱりカラヤンから受ける印象を思い出してしまう。オケから出てきている音は淡麗辛口という感じの響きなのでカラヤンとはまるで違うけど、ヴェルザー=メストが目指しているのは、ある種の善良なわかりやすさじゃないかなと思います。いよいよ揺り戻しが起きているのではないかと、、さらに根拠なく妄想を書けばそのようになるか。

さらに。
モーツァルトもドヴォルザークも僕にとっては馴染みのある作品ではないけれど(まあ、ドヴォ5といったら今やのだめですが)、ヴェルザー=メストの聴かせ方が巧妙なんでしょう。どちらもすんなりと入り込むことができました。
非常に言葉にしにくいのですが…目の前の箇所をむりやり浮かび上がらせるのではなくて、全体の展開や見通しがちょっとした表情の変化にわかりやすく示されているというのか…。カーブだったり三叉路だったりはするけど基本的にはずっと遠くまで見渡せる道路、これを揺れないクルマで安定走行しているような雰囲気。当然オケもメチャ巧。
あーこれじゃあただの妄言だよなあ。。でもそういう感じなんです。

当日は奇妙なプログラムだったみたいで、ワルツやポルカが最後に演奏されてるんですが、これらの曲における健康的で明るいマチエールにも唸らざるを得ません。全っ然イヤらしさがないんですもん。《アンネン・ポルカ》のしなやかなルバートには舌を巻きます。××年後の1月1日の様子を予想しなければなりません。。
常に音楽芸術が善良でなければならないとしたら、彼がいる現在と未来の楽壇は明るそう。
by Sonnenfleck | 2008-02-08 06:11 | on the air | Comments(0)
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