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まよいのまちかどマルタン

日曜午後のグリーン・エコーの演奏会なんですが、雪がチラチラ舞ってて寒い。
で、急遽クルマで出かけることにしたんです。
でもですね、合唱関係の集客力と日曜午後の栄をなめてましたよ。
だいたい愛知県芸術劇場の地下駐車場が満車。500台以上停められるはずなのに!
まずい、、開演まで30分しかない。。停められずに遅刻なんてシャレにならん。。
必死で栄の東側をぐるぐる周回し、空車のコインパーキングを探す探す。
結果、なんとか駐車スペースを見つけて事なきを得たのですが。
そこは、いつも動き回っているエリアとは少し離れた、静かな場所でした。

まよいのまちかどマルタン_c0060659_754572.jpg【Deutsche Grammophon/435 383-2】
<フランク・マルタン>
●7つの管楽器とティンパニ、弦楽器のための協奏曲
●Vn、2群の小弦楽合奏のための《ポリプティーク》
→マリエケ・ブランケスティン(Vn)
●弦楽合奏のためのエテュード
⇒ティエリー・フィッシャー/ヨーロッパ室内管弦楽団

その駐車場から愛知県芸まで、徒歩5分ほど。
その途中にひっそりと中古CDショップがあって、帰り道に何気なく入ってみたんです。
狭いけど明るくてセンスのいいインテリア。メインはジャズ。クラシックの扱いはごく僅か。
…その中に。見つけました。ティエリー・フィッシャーのマルタン作品集
フィッシャーが名フィルの親分になると聞いてから、ずっと探し続けていた一枚でした。

「小股の切れ上がった」というのはこういう演奏に冠すべき形容詞なんだろうなあ。僕がこれまでマルタンに抱いていたもやもや感を完璧に取り除いてしまった。
《7つの管楽器とティンパニ...》の第1楽章の気軽な感じはいったいどういうことでしょうか。ワルツやギャロップの幻影が現れて錯綜しつつも、自らそれを楽しみ、飄々としている。何より響きの抜けがいい。第2楽章の不健康な揺らぎが、第3楽章の冷徹な乱痴気が、心地よく整理されて届きます。これは想像以上にいい。運命的な出会いだ。

あと、バッハの本歌取りのような《ポリプティーク》がめちゃめちゃロック。特に第5曲。
…と見せかけておいて、第6曲―終曲の惻々とした響きを際立たせます。鮮やか!
by Sonnenfleck | 2008-02-21 07:09 | パンケーキ(20) | Comments(4)
Commented by kimata at 2008-02-21 21:22 x
それはそれは・・・、結果的にはよかったんでしょうか。
私は栄のド真ん中までクルマで行く勇気はいまだにないっす。
テレビ塔の東側は西側に比べて人があまり寄り付かないんですが、未開であるがゆえに奇妙な物件に遭遇しますね。。。でも、その中古屋は私も知らなかったです。

そういえば、出遅れましたが、「3周年おめでとうゴザイマス」。
古楽とゲンオンがここまでバランスよく配分されてるブログは知りません。リスペクトしております。ヨロシクです。
Commented by s_numabe at 2008-02-21 21:54
ほう、ティエリー・フィッシャーのマルタンを地元で発見とはなんとも奇遇ですねえ!
これ、とってもいいでしょ? さしてマルタン好きとはいえぬ小生も、ぞっこん惚れ込みました。これと、アルスター管とのフランセ「バレエ学校」ほか(Hyperion)が個人的にはベストです。

フィッシャーを聴くという、ただその目的だけで名古屋詣でする日が遠からずやって来ますね。ぜひ会場でお会いしましょう!
Commented by Sonnenfleck at 2008-02-21 23:02
>kimataさん
私も(基本的には)栄へは地下鉄で行ってます。帰りに栄駅の人混みを目にしたくないようなときは衝動的にクルマを使っちゃうんですが。。栄の東側は静まり返っていて面白いんすねえ。探検し甲斐アリ。
それから、、リスペクトは恥ずかしいですよ。。でもありがとうございます!古楽もゲンオンもどちらかに特化できるほど深いものは持ってませんので、ごまかしごまかしやっとります(笑) かわりばえのしないブログですが、今後ともよろしくお願いいたします。
Commented by Sonnenfleck at 2008-02-21 23:08
>s_numabeさん
ご無沙汰しております!
一体どこの誰が買って、しかもどうして売ってしまったのか、謎は尽きません。ともあれこの運命的な出会いに感謝して、大切に聴いていこうと思っています。次はフランセのシリーズを捜索しないと。。
昨年は豊田市美術館でお会いできませんでしたので、今年こそ、ですね!どうせ全部出かけるとは思いますが、9月の「メシアン→武満→ラヴェル」のプロには特に注目してます。
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