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ときめかないの?

c0060659_8503627.jpg【Philips/PHCP-5392】
<テレマン>
●四重奏曲 ニ短調(《ターフェルムジーク》第2巻から)
●トリオ・ソナタ イ短調 TWV42:a6
●ソナタ ヘ短調 TWV41:f1
●トリオ・ソナタ ハ短調 TWV42:c2
●四重奏曲 イ短調 TWV43:a3
⇒フィリドール・アンサンブル
リカルド・カンジ(Rec, Ft)、フランス・ブリュッヘン(Ft)、ク・エピンヘ(Ob)、
ダニー・ボンド(Fg)、マルク・デストリュベ(Vn)、リヒテ・ファン・デル・メール(Vc)、
ティティア・デ・ツヴァールト(Gam)、クリス・ファー(Cem)

鹿児島中央駅前の中古屋さんでばったり巡り合った逸品。ミニ18世紀オケと言えるフィリドール・アンサンブルによる珠玉のテレマンですが、驚きなのは1989年の録音なのにブリュッヘンがトラヴェルソを手にしてることなんですよ。これから御大の笛の新録音が期待できるとは思えないから、恐らくこれが最後期の記録となるのでしょうね。。

ところでAmazonのこのディスクのページに、
いずれにせよテレマンの演奏はリッパなもの。でもね,なんだがときめきが感じられないのですよ。
という記述が署名もなくなされてるんだけど、正直ハァ?という感じですね。どうひっくり返して聴いても、これくらい上質なテレマンのアンサンブル演奏はそうないと思うんですが。
もっとガチャガチャやればこの筆者氏はときめいたのかな。
短調の作品ばかり収録されていますが、テレマンらしい職人的な「憂鬱のポーズ」が折り目正しく表現されていきます。この折り目正しさがポイントで、元気がよすぎてもデカダンすぎてもテレマンの美質は浮かび上がってこない。ヴィヴァルディやラモーに比べると表現の難易度は(実は)テレマンがずっと上なんじゃないかという気がしています。

この一枚、ニ短調の四重奏曲(ブリュッヘンが吹いてるのはこの曲だけみたいですね)とヘ短調のソナタにおけるダニー・ボンドのファゴットが特筆すべき仕上がりで、通奏低音としての立ち回りから解放されて主役に躍り出ただけでなく、他のメンバーをすっかり食ってしまっている。彼のファゴットはあまり濁りがなく、黒光りする重厚な高音が萌えです。非常に萌えです。大切なことなので二回言いました。

イ短調のトリオ・ソナタハ短調のトリオ・ソナタではボンドは通奏低音に徹しているんだけど、こちらでは空気のように低音を並べてリズム隊をやってるのでした。仕事人だねえ。
代わりに目立つのはリカルド・カンジのリコーダー。特にハ短調のトリオは(第3楽章を除いて!)旋律がちょっと古っぽい雰囲気なので、彼のリコーダーの線の細さがいい方向に働いて楚々とした美しさが表出しています。

テレマンは演奏するのも難しそうだけど、味わうのも難しい。ようやくコツが掴めてきた。
by Sonnenfleck | 2008-07-19 08:58 | パンケーキ(18)
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