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on the air:ハーディング/VPO 《大地の歌》

c0060659_6284830.jpg【2007年10月21日 ウィーン コンツェルトハウス大ホール】
●シューベルト:交響曲第3番ニ長調 D200
●マーラー:《大地の歌》
→ミシェル・デ・ヤング(A)、ブルクハルト・フリッツ(T)
⇒ダニエル・ハーディング
  /ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(2008年8月11日/NHK-FM)

すでにウェブラジオでは何度か出くわしたプログラム。
謎すぎる(そしてしつこい)高校野球の中継で音楽番組がごっそり潰れてしまったNHK-FMの、何とかかんとか生き残っているベスクラでチェック。

《大地の歌》を聴くと東急大井町線の下神明から大井町にかけての眺めが浮ぶので、しかも季節は晩秋だったりするので(超個人的告白)、灼熱の名古屋には全っ然合いません。
まあいいや。
はっきり言って、あっちこっちにぴょんぴょん飛び出した放恣な演奏だと思いました。なのにこの美しさ。ずるい。オケのポテンシャルがずるい。てんでまとまろうとしないのに、個々のプレイヤーの音が強烈に美しいので、偶然に形成された豪奢な厚みに騙される。
第1楽章の冒頭で幾層にもわたる縦構造を作っていたのでハーディングにはギョッとさせられましたが、一方でこの放恣な姿も全部彼の計算だったりするのでしょうか?ますますハーディングが見えない。暑さでますますテキトーになる文章に乗ってしまえば、「騙されてもいいや美しいもの」という感じなんですけどねえ。

オケの公式サイトを見るとこの日はアンゲリカ・キルヒシュラーガーがソリストだったようなんだけど、なぜか歌っているのはミシェル・デ・ヤング。代役だろうか。NHK-FMの節約された女声ではそのことまでは教えてくれなかった。
ヤングは歌い口こそ侘び寂びなのに、声質がセクシーです。このギャップに打ちのめされて、第4楽章第6楽章はぼんやりとしてしまいました。特に前者の楽章は少年と馬のくだりの早口が煩わしくて、いいなあと思ったことはこれまでそんなになかったんだけど、ここでのヤングはディクションも素晴らしくって、あちらにこちらに跳ねまくっているオケの面々によるプレイと合わさってなかなかの響き。
さて後者の楽章は最後の数分間がずいぶん明るくて素直で、楽しくなってしまう。遊んで跳ねまくって疲れたプレイヤーたちがこの最後の数分間に集中する…と考えたハーディングの策略に嵌ったかも。永遠に永遠に明るくったっていいじゃない。。
by Sonnenfleck | 2008-08-13 06:30 | on the air
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