そうかそうか。そうきたか。
第20巻の感想文で「ついにこの第20巻で巨大な展開部に突入したのではないか」と書きましたが、第21巻ではいよいよ胸苦しいような展開が始まります。。以下ネタバレ。
Ruiと千秋によってラヴェルの協奏曲を演奏されてしまったのだめ。音楽で獲得できなければ生物的法律的に獲得してしまえと言わんばかりに、いきなり千秋へ結婚を迫るわけですが、その「逃げ」を見通していた千秋はヒラリとかわす。
そこへ現れたシュトレーゼマン=メフィストフェレスが、のだめ=ファウストのピアノにすっかり魅了されてしまって、ファウストを誘惑するわけです。汝の伴侶となろう、ってね。魔方陣の中からのだめに手を差し出すシュトレーゼマンの
歪んだ表情、いいなあ。多くのレヴューではシュトレーゼマンの聴力が失われてきていることへの「泣きました」的コメントが目立ちますが、むしろ音楽に対するシュトレーゼマンの欲望が巧妙なタッチで描かれている点に感銘を受けました。しぼんでいた欲望がにわかに立ち上がる様子に、波乱の予感。
次巻、シュトレーゼマンによって禁断の薬を与えられるのだめ、オクレール先生が慎重に慎重を重ねて育ててきた才能は、急激な伸張を経験することで脆くも崩れ去ってしまうのか?そして千秋=グレートヒェンの構図は実現されるのか?BGMには、どろどろした緊張を孕んだシューマンの
《ファウストからの情景》序曲を、クレンペラー/ニュー・フィルハーモニア管で。
<第21巻のクラヲタポイント>
・ヴィエラ先生が振っているオペラは、本命:グノー、対向:ボーイト、大穴:ブゾーニ。
・ってのと《二人でお茶を》、黛の《舞楽》くらいしかないなあ。本筋が動き始めると。
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昨日の名フィル名曲シリーズ面白かったなあ。感想文は明日くらいに。