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2008年 04月 28日 ( 1 )

on the air:バレンボイム/ベルリン国立歌劇場 《モーゼとアロン》

c0060659_6132689.jpg【2007年10月18日 東京文化会館】
●シェーンベルク:歌劇《モーゼとアロン》
→ジークフリート・フォーゲル(語り/モーゼ)
  トーマス・モーザー(T/アロン)
  カローラ・ヘーン(S/若い娘)
  シモーネ・シュレーダー(MS/病人)
  フロリアン・ホフマン(T/若い男、裸の男)
  ハンノ・ミュラー・ブラッハマン
  (Br/もう一人の男、男、エフライム)
  クリストフ・フィシェッサー(Bs/祭司) 他
→ベルリン国立歌劇場合唱団
⇒ダニエル・バレンボイム/ベルリン国立歌劇場管弦楽団
(2008年4月27日/NHK-FM)

観に行けず涙を呑んだ《モーゼとアロン》。まさか放送されるとは!
僕がNHKに払った受信料は、このライヴを収録するための機材を運んだトラックのガソリン代になったのだと思えば、まったく心安くいられるというものです。ありがとうNHK!

これまでに聴いた《モーゼとアロン》は以下の4つ。
・ケーゲル/ライプツィヒ放送交響楽団(Deutsche Schallplatten)
・ブーレーズ/BBC交響楽団(SONY)
・ブーレーズ/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(DG)
・メッツマッハー/ハンブルク国立歌劇場(2004年11月@ハンブルク)
ハンブルクで観たコンヴィチュニー演出は、モーゼとアロンがキッチンにいたり、「蛇」がエロい女ダンサーになってモーゼを撫で回したり、第2幕の狂乱で当時のドイツ政界要人のお面をかぶった人物たちが踊ったり、乱交パーティ寸前のところまでいったり、とにかく大変な体験でしたが、いつかここで書こうと思いながらいまだに書けてません。

11月の雨のように昏いケーゲル、明晰でちょっと素っ頓狂なブーレーズ旧盤、磨き上げられて心地よいブーレーズ新盤。今回のバレンボイム/ベルリン国立歌劇場の演奏は、少なくとも音だけ聴く限り、これらのいずれとも似ていない。
まずオーケストラの音が濃密でうねるようで(あと、ちょっぴり楽天的で)、これが最初にして最大の特徴であります。
恐らく生で観ていたら演出の方に意識が集中してしまっていたと思うけど、第2幕前半のいくつかの俗悪なナンバーにおけるトゥッティの白熱ぶりだけでなく、第1幕冒頭でアロンが登場するシーンなど艶めかしい木管のアンサンブルに心を奪われました。それに第2幕後半の対決シーンは表出性がずいぶん強くて、なるほどこういうやり方もあるんだなあと感心。

アロンのトーマス・モーザーは第1幕まで声が揺れたり掠れたりしてかなりヒヤヒヤしましたが、第2幕に向けて尻上がりに調子を整えてきてましたね。
いっぽうジークフリート・フォーゲルのモーゼは極めてドラマティックな造形で、結尾の「O Wort, du Wort, das mir fehlt!」まで強い疑問と怒りを秘めていました。バレンボイムの濃厚なオケドライヴと対等に渡り合っていたです。
合唱は終始ノリノリだったなあ。

次に生で観る機会は、20年くらい先だろうか。。
by Sonnenfleck | 2008-04-28 06:15 | on the air