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2008年 05月 13日 ( 1 )

シト変容

c0060659_75168.jpg【DECCA/POCL-1218】
<R. シュトラウス>
●交響詩《ドン・ファン》 op.20
●《メタモルフォーゼン》
●交響詩《死と変容》 op.24
⇒クリストフ・フォン・ドホナーニ/
  ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

「ヱの字<序>」のDVDが出たみたいで、ちょっと興味があります。まあいいけど。

さて、こつこつ蒐集中のドホナーニ。オケの美感が厳しく要求されるシュトラウス作品集が、上前津のサウンド・ベイ・リパブリックに転がっていました。まだ店頭にあるんだなあ。ヤフオクではそんなに珍しい出物でもないようだけど、実物を探し当てる楽しみは大きい。
1989年の録音ということは、D先生とVPOの関係がフツーであった最後の頃でしょうか。
shuさんtakさんも軒並み高評価を与えておられる演奏なので、固唾を呑んでPLAYボタンを押してみましたが、、なるほどねえ、、こりゃーいいわー。

《死と変容》に大推薦マーク。
冒頭の苦々しく切ない後悔が心にしみます。ドホナーニは音が拡大しすぎないようにきつく手綱を締めていますが、それでもクリーヴランド管に比べると奏者自身の裁量に任されている領域が広いみたいで、VPOの甘い香りがあちこちから立ち昇っている。「甘苦さ」こそ音楽が表現しうる最高の感情のひとつでは?
ティンパニの一撃で主部に突入してからは、例によって流線型のフォルムでもって音楽が後ろにビューンと飛び去っていきます。ただしこの演奏で興味深いのは、(録音コンディションのせいかもしれないが)いつものドホナーニではあまり聴かれない響きの混濁があるというところ。特に最初の「変容」の主題近辺で顕著なのだけど、これはこれで味わいがある。VPOからの要求が想像されますね。
2回目のティンパニアタックの直後、ほろほろほろっ...と音符が抜けていく瞬間が絶美であり、総括するようにゆったりしたテンポで「変容」の主題が現れるところでは、涙腺が刺激されて困ります。響きを美しく抜いていくテクニックは、ドホナーニの必殺技!

《ドン・ファン》はちょっと引き締めすぎかなあ。
一方で《メタモルフォーゼン》は予想外に透明を極めていて驚きました。やけに明るい響きをしているのが物凄く効果的。ラヴェルみたいに聴こえる。
by Sonnenfleck | 2008-05-13 07:06 | パンケーキ(20)